iPad Pro 10.5が届きました。iPad Air 2からの乗り換えですが、いやはや、その進歩っぷりに驚きです。

はじめに

書いてる人は、これまでiPad Air 2, iPhone 6sユーザーで、iPad Pro 9.7およびiPhone 7で初搭載された機能は知りません。なので、今更何言ってんだ?的な内容がちらほらあるかもしれません。ただ、2-3世代くらいで買い替える方が多いと思いますので、買い替えを検討している方にはちょうどよいのではないでしょうか。

比較されし者たち

iPad Pro 10.5 Wi-Fi 256GB スペースグレイ (A1701)
iPad Air 2 Wi-Fi Cellular 128GB スペースグレイ (A1567)

それでは、iPad Air 2ユーザーによるPro 10.5のヤバさについて語っていきたいと思います。

サウンドがヤバい。

(iPad Pro 9.7 -)

一晩いじってみて、一番ヤバかったのはサウンド。Air 2では下に2つのスピーカがついていましたが、10.5は上に2つ追加され、4つのスピーカになってます。Pro 9.7からの仕様なので噂には聞いていましたが、想像を超えるクオリティでした。

いや、単に左右から出るだけじゃね?って思ってたんですよ。たしかにAir 2では、横向きモードにすると片側からしか音が聴こえず悲しい思いをしていたので、単に左右から出るだけで充分と思ってました。

要は、例えば横向きなら、右の2つからはRチャンネル、左の2つからはLチャンネルが出力される。縦向きなら知らね。と、その程度に思っていました。

しかし。特に横向きにして正面から聴いた時のサラウンド感が、なんかヤバい。元音楽人のはしくれとして、単に左右から出てるだけじゃないヤバさを感じる。と思って、スピーカに耳を当てて調べてみた。

これは、疑似2.2chサラウンドシステムである

結論から言うと、僕の耳を信じるならこれはおそらく「(疑似)2.2ch」であります。

4つのスピーカーから、全て違う音が出ている。ざっくり言うと、もちろん右側の2つはRチャンネル担当、左側の2つはLチャンネル担当なのだが、さらに上側の2つは高音担当、下側の2つは低音担当になっている。もちろんiPadの向きに対して、常に上記の配置になるように担当者が入れ替わる。つまり、右上の人は常にRチャンネルの高音を担当する。

いつから2.2chとかいう言葉が使われはじめたのかは知りませんが、大抵の2.2chを謳っているものは、ツイーター(小さめ・高音域)x2, ウーファー(大きめ・低音域)x2の4スピーカーを搭載した2ch(ステレオ)システムのことを指します。

つまり、このiPadのサウンドシステムは、上側の2つはツイーター、下側の2つはウーファーの役割となっているわけです。ただ、一般的な2.2chとは違い、iPadの向きによって担当者が替わる性質上スピーカのサイズは全て同じはずなので、(そもそもサイズ違っても小さすぎて意味ないと思う)イコライジングによって擬似的にツイーター風、ウーファー風に出力しているものと思われます。

推測ですが、例えばツイーター役の方は高音ブースト(低音カットかもしれない)、ウーファー役の方は低音ブースト(高音カットかもしれない)、みたいな感じかと。ミュージックアプリのイコライザーでは、例えば「Base Booster」が低音ブーストではなく高音カットに聴こえるので、カットの方の気がする。(イコライザー「なし」が一番音がでかいんだもん)

で、スピーカーの位置関係上、iPad横向きの方が圧倒的にサラウンド感が増します。iPad本体で音楽を聴くなら、横向き正面聴き推奨です。

True Toneがヤバい

(iPad Pro 9.7 -)

環境光の色味に合わせて、ディスプレイの色と明るさを調整する。暖色系の照明下では白い紙が暖色に見える、白い照明下では白く見える。それをデジタルで再現する、とても先進的な機能。

たまたまウチの部屋の照明が暖色なので、最初は「これはヤバい」と感動しました。Air 2と比較したところ、明らかに自然な色味が表現されている。

夜間で暖色照明という環境下では、白が白いAir 2よりも白が白くないPro 10.5の方が白い。

もう一度言う。白が白い方より白が白くない方が白い。これがTrue Toneのコンセプトであり、僕はこのコンセプトがとても好きだ。

人間の目、というか脳が環境光の色に応じてモノの色を補完するため、白く見えてないものを白であると認識し、また実際に白く見えるということだと思いますが、この一文はだいたい適当です。

じゃぁ緑色の光当てたら画面緑色になるのかと言えば、たぶんならないと思います。白い紙の挙動を「完全再現」するのが目的ではないでしょうから。

ただ、日中の白い蛍光灯の下でも、ほのかに暖色になります。白い紙と比較しても多少暖色がかって見えました。これが精度によるものなのか、あえての仕様なのかは分かりませんが、僕にはちょうどいい加減に見えます。余談ですが、日本人は色温度の高い(青よりの)ディスプレイを好む傾向があるそうです。

スペックがヤバい

恒例のベンチマークテスト。使用アプリはGeekbench4。

Geekbench 4
ユーティリティ¥120iOSユニバーサル

顕著な差だったので、1回しか計測していません。

まずはCPU。左がiPad Air 2, 右がiPad Pro 10.5。

お次はGPU。実に4倍近い数値を叩き出した。

うーむ。「ダルビッシュ」と「○○のダルビッシュ」くらいの歴然たる差。もしくは西武松坂とソフトバンク松坂。普段の用途で、実際に違いを体感できるのか、というと、例えばアプリの立ち上がりは、確実にワンテンポ速い。体感的には、アプリアイコンをタップした瞬間に起動している。iPad Air2 の時点でかなり速いと思っていたんだが、さらにワンテンポ速い。もう3世代後くらにはタップする前に起動するんじゃないかと。

ただ、この超スペックをフル活用するシーンってそんなにないかもしれない。少なくとも僕の用途では。Metalゲームや3Dモデルをいじる時なんかに本領を発揮するのでは。

参考までにiPhone 6s。左がCPU、右がGPU。一瞬カンスト!?と錯覚した。

おまけ MacBook Pro Early 2015。遂にiPadがMacを上回ってしまった。とは言えこのMacもまだまだ現役で頑張ってもらうのであります。

リフレッシュレートがヤバい

(iPad Pro 10.5 -)

リフレッシュレートとは、1秒間に何回画面を描画するか、だと思ってもらえればだいたい合ってる。iPad Pro 10.5では、これまでの60Hzから倍増の120Hzに。画面操作のぬるぬる感が増した印象。またSafariでWebページをスクロールしている時にもテキストを認識できるほど。それでいて、状況に応じてリフレッシュレートを下げてバッテリーを節約する機能もあるらしい。うーん。先進的。

画面サイズがヤバい

圧倒的に大きいディスプレイサイズ。自分で測ったので多少の誤差はあるかもですが、おおよそこのくらいの違いがあります。

ディスプレイの実サイズ

iPad Air 2: 198 x 149 mm
iPad Pro 10.5: 214 x 160 mm

16 x 11 mm 拡大されたということに。それでいて、筐体の、特に短辺はものの数mmしか大きくなっていない。つまり、縦に持った感じはほぼ同じで、画面サイズだけが超拡大された、という格好。

また、それに準じて、アプリによっては表示領域が拡大している模様。同じ拡大率で表示されるアプリは、広くなったぶんだけ表示領域が広くなっている。例えば、App Storeだとこのくらい違う。

また、Webページの表示領域(Device Width)もアップしています。先に、モバイルデバイスのブラウザの表示について少し説明します。

モバイルデバイスには、ディスプレイの解像度とは別に、Device Widthという値が設定されています。簡単に言うと、デスクトップブラウザのウインドウサイズに当たるものです。これは、高精細ディスプレイにおいて、Webコンテンツを見やすい大きさで表示するための仕組みです。

iPad Pro 9.7インチのDevice Width は1,024 x 768 pxですが、iPad Pro 10.7インチにおいては、このDevice Widthも1,112 x 834 px に拡大されています。これはつまり、実解像度(2,224 x 1,668 px)の半分のサイズ、つまり、倍に拡大された状態で表示されていることになります。

Device Widthが広くなったということは、それだけ表示域が広がったということになります。サイトによっては、従来サイズのiPad用レイアウトではなく、大画面用のレイアウトで表示されることもあります。

Appleのサイトなんかは、現在iPad Pro 10.5インチでは大画面用レイアウトで表示されます。

広色域ディスプレイ(P3)がヤバい

(iPad Pro 9.7 -)

P3というデジタルシネマの色域規格に対応し、さらに広域な色表現が可能に。上の画像でも、赤色の発色の違いが分かるかと思います。他の写真と立ち位置が逆になってしまいました。左がiPad Pro 10.5です。

Apple製品は、画面の色やフォントの美しさなどについて大変こだわっており、それがクリエイティブな用途で多く使われる理由のひとつとなっています。

ストレージサイズがヤバい

(iPad Pro 9.7-)

ストレージサイズ256GBを選びました(64GB, 512GBの3種類)6,300の音楽と700の自炊PDFを入れた状態で残り142GB。iCloudフォトライブラリもジャブジャブ使える。

ちなみに、ウチのMacも同じ256GB。もはやMacと同じストレージ容量となってしまいました。音楽(iTunesライブラリ)や自炊本PDFはNASに保存しているので、Macはいつも小さめのストレージのものを使っています。

おまけ 未検証だが高速充電がヤバそう

USB PD(Power Delivery)対応?で、Lightning – USB-Cケーブル + 29W充電アダプタで超速充電が可能だそうな。しかし、いずれも同梱されておらず、個別に買うしかない上に高価。今のところ、そこまでしてこれを試そうとは思いませんので、未検証。MacBookを持ってる方はケーブルだけ買えばいいので、試す価値はあるかと。

iPad Pro 10.5の気になるところ

Air 2と比べて気になる点をいくつか。

カメラレンズが出っ張ってる

これ、なんとかならんのでしょうかね。ならんからこうなってるんでしょうが。iPhone 6sしかり、高品質カメラは嬉しい限りではありますが、出っ張りはいただけない。置いて操作する時にカタつくことはありませんが、左上を強めに触ると、筐体が少したわみます。iPhoneと違い置いて操作することが多いので、ちょっと気になる。

横向きでソフトキーボード親指打法がキツい

僕はiPadで文字を打つ時は、両手で持ってQWERTYソフトキーボードを両手の親指で打つんですが、横向きにした時がキツい。真ん中あたりの文字が届かない。縦ではAir 2とほぼ変わらず打てるので、打つ時は縦にするしかない。

ちなみに、iPadには、キーボード分割機能があり、キーボードを左右にスワイプすると左右に分割されますが、これは正直使いづらい。打つ時に視点が左右に分断されるので、指の動きは少なくなったとしても、視点の動きが大幅に増えるので、余計疲れる。

また、日本語カナ入力時はいわゆるスワイプ入力になるので一見便利なんですが、非分割時は50音順のあいうえおキーボードになる。つまり、カナ入力時だけ分割する、などの謎の手間が生じるためNG。さらに、この分割機能はバギー(バグが生じがち)なのであまり使いたくない。

横向きでコントロールセンター出しにくい

ベゼルがかなり狭くなったので、横向きにした時に下から出てくるコントロールセンターが出しにくい罠。

おわりに

さて、iPad Pro 10.5のヤバさを紹介してきました。満足度は、上記気になる点を差し引いて97点! 確かに安いものではありませんが、この超先進的ポータブルモンスターマシンが8万円台と考えると充分コスパの高い製品と言えます。僕はペンシルは持っていないし買う予定もないですが、絵の描ける方にはさらに素晴らしい体験を提供してくれることでしょう。

さらに、この秋にはiOS11が登場。iPad Pro 10.5が第2形態となり、本領を発揮するのはそれからではないでしょうか。今からわくわくが止まらない。

Air 2、またそれ以前のiPadからの買い替えをお考えの方は、きっと満足の1台となることと思います。