人気小型Bluetoothスピーカー4機種大比較

Takashi Fujisakiのアバター
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スマートフォンの普及やBluetooth等の無線技術の品質向上とともに、モバイルスピーカーの普及が急速に広まりました。僕もモバイルスピーカーファンの1人です。今回は、手持ちのBluetoothモバイルスピーカー4種の比較をしたいと思います。ほんの4種類ではありますが、購入検討の材料のひとつとなれば幸いです。

比較されし者たち

BIG JAMBOXを除き小型のものとなります。

  • Anker SoundCore 2
  • Beats Pill+
  • Bose SoundLink Mini II
  • JAWBONE BIG JAMBOX

比較者の属性

基本ロック寄りです。クラシックやドジャズ、また四つ打ち系目線(耳線)は持ち合わせておりません。以下の試聴音源にて察してください。

比較に使った主な音源

Steely Dan – Babylon Sisters

Dirty Loops – Automatic

BABYMETAL – KARATE

abingdon boys school – JAP

Misia – Everything

Beatles – Something

山弦 – JOY RIDE

上原ひろみ – Alive

Anker SoundCore 2

約5,000円で衝動買い。ミニマルなデザインがカッコカワいい。

このSoundCore 2の最大の持ち味は何と言ってもその手軽さにあると言えます。まず価格が手頃。今回紹介する他のスピーカーの実に4分の1以下の値段。次に軽さ。公式には360gと記載あり、実際にかなり軽い。iPad mini程度の重さ。トートバッグに放り込んで軽く持ち運べるほど。また、最大連続駆動24時間というありえないスタミナはさすが業界トップのバッテリーメーカーといったところ。汎用のUSB充電アダプタで充電できる点も評価できる。せっかくなので同社の充電アダプタとケーブルを使おう。おまけに防滴だったり、18ヶ月保証だったりと、価格からは想像もできないほどの充実ぶり。

肝心な音質はと言うと、まず6×6=12Wの出力で、見かけ以上にパワフル。今回比較した中では、よく言えば一番フラットでバランスがよく、悪く言えば色気がないとも言える。今回の中では一番低音が鳴らないが、そもそもこの価格帯、サイズ、重量で低音を求めてはいけない。また、一定以下の音量ではバランスよく聴こえるが、ある程度以上上げると、いわゆる一般的なミニスピーカーのような箱鳴り感が生じる。

他気になった点は、ノイズ。静かな時に、サーっとホワイトノイズが聴こえる時がある。もうひとつ、なんか謎のコンプみたいな、ピークカットみたいなのがかかって聴こえる時がある。つまり、突発的な音量アップの時にズバッと音量がカットされたような感じになったりする。個体によるのか分からないが…しかしAmazonのレビューで同じようなことを書いている方がいたので、たまたまこの個体だけ、といったわけではないと思う。

結論。アクティブにガンガン屋外に持ち出して使う用と割り切れば充分に使える。

Beats Pill+

Beatsはイヤフォンを2つ持っていたので、こちらのモバイルスピーカーも気になり購入。まず何より、モバイルスピーカー界随一のルックスが目を引きます。稼働時にはbのロゴが光るのも、いかにもBeatsでカッコいい。箱の内装も含め、Apple傘下にふさわしいミニマルなデザインとなっている。充電がLightning端子というのもAppleならでは。しかしiPhone、iPadの充電器ではパワーが足りず、専用のアダプタでなければ充電できない。

また、いざという時にはiPhoneの充電器として使える頼もしいヤツ。

サウンド面では、なんというか、音が真っ直ぐにグイグイ直進してくる感じ。ドンシャリ…ではない、ドンッ!(シャリ)みたいな。男らしい突進型のサウンド。音域もステレオ感も決して広くはなく、中低域あたりがゴリッとブーストされて聴こえる。やっぱヒッポホップとかラウド系に最適化されているということなのだろうか。パワーで言えばこれがナンバーワンである。マイクに例えるならMD421。

なんか、2台使ってステレオ出力、またはブースト出力ができるらしいんだが、おそらくその使い方で最高の威力を発揮するのでは、と思っている。もちろん2台も持ってないので確かめようがない。

Bose SoundLink Mini II

今回比較する中では一番小さいのだが、結論から言うと、この小ささからはありえない音が出る。音質だけで言うなら他の3機種とは比較にならないほどに、圧倒的に凌駕する。

レンジも広く、各楽器の分離もはっきりしている。解像度の高い音、というべきか。そして、いかにもBoseなブーミーな低音。どうやったらこの筐体からこの高品質な低音が出るのか。意味が分からない。小スピーカーによくある無理やりブーストさせたようなこもったものではなく、輪郭のはっきりした、それでいて置いてるテーブルが唸りを上げる、まるで大口径のウーファーのような低音を、たとえ小音量であっても醸し出す。

僕は音響屋じゃないので細かいことは分からないが、Pill+のそれとは全く質が違う。どっしりと安定した、レンジの広い低音域。正直、小音量でも近所迷惑になりかねない。それでいてハットなどの高音域も、中音域のヴォーカルもしっかり分離して聴こえてくる。また、近距離なら各楽器の定位もちゃんと聴き取れる。欲を言うなら、もう少しハイが抜けてきても良いのだが、これはSBCコーデックの宿命か。2万円帯のスピーカーにこれ以上は望むまい。

あらためてBose製品の質の高さを認識させられる製品だった。ちなみに、Boseの他のコンパクトスピーカーも様々試したが、これが一番僕好みだった。

あと、汎用USB充電アダプタで充電できるのもポイント高し。付属のクレイドルを使って充電することも可能。同サイズの他のスピーカーたちと比べると高いが、値段以上の価値は間違いなくある。THE BOSEな重低音と見た目が許せるなら。

JAWBONE BIG JAMBOX

※販売終了しました。

既に生産完了となってしまったBIG JAMBOX。かつてコブクロの黒田さんが絶賛していたものであります。僕にとって初のBluetoothスピーカー。発売当時、家電量販店でほぼ全てのモバイルスピーカーを試した結果、1番好きなサウンドだったのと、そのイケメンっぷりで即買いしたもの。

見た目のイメージからは想像できない繊細でやわらかな音を出します。音の分離がよく、アコースティックギターのストロークなんかはとても小気味よく表現される。また広がり感もよく出ていて、パッド系のシンセやリバーブなどもとても美しく響く。筐体の大きさが違うというのもあるかも知れないが、明らかに上記3つとは異質のサウンドを醸し出している。もちろん、その大きさから想像できるとおり、低音もバッチリ出る。SoundLink Mini IIのようなブーミーさはなく、安定した締まった低音で聴き心地がよい。

全体的には、高音域のチーチーいうところあたりが強調されていて、他に比べてシャリ分が強い。それでいてベードラの輪郭なんかもはっきりとしていて、うまく言えないが、総じて音楽的である。

また、特筆すべきは「Live Audio」なる機能。あたかもバイノーラルのような不思議な3Dサウンドを醸し出す。なんか、横から音が降ってくる感じになる。どういう仕組みなんだろうか。

インテリアの一部としても自然に溶け込めるデザインも○。

まとめ

持ち出す手軽さならSoundCore 2

低価格、高い携帯性、防滴仕様と、手軽さではSoundCore 2と言えそうです。キャンプや海辺のバーベキューなどで活躍することでしょう。リア充向け。

ラウド・四つ打ち系ならPill+

ヒップホップとかラウドなどは詳しくないので、四つ打ち系とかひとくくりにして恐縮ですが。パワーを求めるならPill+が選択肢となりうるものと思います。

音質重視ならSoundLink Mini II

音質重視と言ってもコンパクトスピーカーの範疇のお話ですが。正直、この価格とサイズでこの音質は驚き以外のなにものでもない。屋外でも心地よい低音域が楽しめるが、高いので屋外では使いたくない。

サラウンド感を楽しみたいならBIG JAMBOX

クリアで広がりのあるサウンドならBIG JAMBOX。Amazonなどのネット通販ならまだ買えます。

おわりに

さて、メジャーなモバイルスピーカー4種類を紹介しました。かつては音楽は高級コンポーネントとCDクオリティの音源で聴くものだと思っていた僕も、もはやApple Music等のストリーミングサービス&コンパクトモバイルスピーカーで充分音楽を楽しめる体になってしまいました。もはや時代の流れには逆らえません。至高の音質よりも圧倒的な利便性を僕は取ります。手のひらサイズのモバイルスピーカーがここまで高品質になってきて、僕はとても嬉しい。Bose SoundLink Miniも近く後継機種が出るという噂もあったり、なかったり。今後も懲りずにモバイルスピーカーたちと戯れ続けることと思います。それではまた!