ここがすごいよHomePod レビューとサウンド考察

2019年8月26日
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やっと来ましたHomePod。というわけでレビューします。

音楽再生に特化したスマートスピーカーHomePod。その証拠。

まず。HomePodとは、Appleが開発したスマートスピーカーであります。と言いたいところではあるけど、AlexaやGoogle Homeと決定的に違うのは、利用用途の主が音楽再生であること。それは、公式サイトでもほぼ音質の話しかされていないことや、そもそもハードの仕様(ツイーター7基、ほか)がヤバすぎることからも分かります。

その他、ビームフォーミングやリアルタイムアコースティックモデリングといった先進技術により、部屋や人の居場所を解析して、最適な音場を作り出すとのこと。まさに音楽のためのスマートスピーカーであることが、HomePodの特長でありヤバさであります。

HomePodの競合は

個人的には、競合はAlexaやGoogle Homeではなく、これらを搭載したモバイルスピーカーだと思います。あくまでも(音楽)スピーカーという立ち位置であることには、疑いの余地がありません。

ここに置いた

壁際がいいとの前情報だったので、部屋をプチ模様替えして、HomePodをお供えする場所を作りました。

一説によると角がいいとのことだが、今のレイアウトでは難しく却下。

試聴に使った主な音源

HomePodのサウンドの傾向

まずは細かいことはおいといて、HomePodの基本的な音質についてのレビュー。

地ひびき級の低音域

まず度肝を抜かれたのが、コンパクトスピーカーの域をはるかに超えた低音のレンジの広さ。かなりの小音量でも重低音を醸し出します。残念ながら、我が家のような木造賃貸アパートでは夜間の使用は厳しいかと。oTL=3

そのためもあってか、音質自体は非常に優れているものの、全体的なサウンド感としては低音に偏ったバランスという印象。

単体では物足りないステレオ感

また、曲によってはヴォーカルがやや奥まって聴こえて、バランスを欠いた感じになることも。おそらく、ライブ音源のようなアンビエントたっぷりな音源とかでこの傾向がある気がします。

また、左右の定位を端から端までふんだんに使った空間広がりのある楽曲なんかも、期待する広がり感は得られなかったです。

逆に、弾き語りなどのシンプルな楽曲では、充分に良質な音楽体験が楽しめます。

HomePodの本質はオートキャリブレーションにある

HomePod 置くだけ

さて、HomePodの目玉機能のひとつが、部屋のレイアウトを自動的に解析し音響特性を把握、自動的な最適な鳴らし方で再生してくれる「オートキャリブレーション」。

これの何がすごいって、本来、できるだけいい音で聴きたいと考えるならば、部屋の音響特性とか自分で調べないといけないし、スピーカーを置く位置などを念入りに考えなければなりません。また、最高によく聴こえる場所は部屋の一点に限られてしまいます。しかし、HomePodはこれらをAIで解決したのです。

要は、買ってきてその辺にポンと置くだけでOKということ。あとはHomePodがなんとかしてくれる、というわけです。

これが「HomePodというスピーカー」の核心であり本質的な部分だと思います。AIにより、人間はまたひとつ、音響の専門知識がなくともそれなりに良い音で音楽が聴けるようになってしまったのです。

さて、実際、そのオートキャリブレーションを実感できたかというと…。しばらく曲を再生しているうちに、だんだん自然なサウンドに変わってきた感じがしますが…耳が慣れてきたという説もあります。

ちなみに、これらの空間把握などは、6基のマイクにより反射音を解析し行われている模様。

独立した低音のオート調整

また、HomePodの特長の一つである重低音ですが、低音のキャリブレーションも自動的に行われるようです。で、このための低音専用マイクが搭載されているとのこと。凄まじいまでのこだわりよう。

HomePodのヤバみを仕様から紐解く

HomePodの中身。内向きのツイーターが7基、6+1基のマイクと変態極まる仕様。Image via Apple.com

内部の画像を見てお分かりのとおり、これまでのモバイルスピーカーの常識からするといろいろおかしい。上の方から順番に見ていこうと思います。

振動板の振れ幅20mm、驚異的パワーのウーファーがヤバい

上向きに設置されたウーファーが豊潤な重低音を醸し出す。Image via Apple.com

本体上部に上向きに設置されたウーファーは、後述の360°に設置された6つのマイクと1つの低音専用マイクにより環境分析し、自動的に補正を行い、最適な低音を送り出します。

しかも、そのパワーは振動板を最大20mmも動かすほどで、およそ一般的なコンパクトスピーカーでは出せない、レンジの広い重低音を醸し出します。あたかも大型スピーカーのようなベードラのアタック感を表現できるこの重低音こそが、HomePodのアイデンティティのひとつと言えます。

爆音再生中でも小声の「Hey Siri」を認識するのヤバい

環状に設置された6基のマイクで環境分析し、さまざまな出力の自動処理が施される。Image via Apple.com

一番の驚きは、ある程度の音量で音楽を再生している時に、自分も聴こえなくくらいの小声で呟いた「Hey Siri」を認識することであります。具体的な仕組みは知らんけど、ノイズキャンセリングならぬ、自らの発音を打ち消すセルフキャンセリングみたいなことが内部的に行われているのだろうか。まぁ実際に6+1基のマイクで集音・分析してるわけだから、その可能性は充分あります。

また、この6+1基(1つは低音専用)のマイクこそが、環境分析の根幹をなすセクションであります。環境からの反射音を元に部屋の構造や音響特性を分析、その空間に最適な音楽空間を提供する、というあんばい。

最適な音楽空間を構築する仕組みがヤバい

内側を向いた7基のツイーターから中心部のドーナツ型の筒に音を照射し、下から外に音が抜けて広がる設計。

ツイーターが7基、360°方向から、本体内側に向けて音が照射されるという、変態極まる仕組み。それぞれのツイーターには独立したカスタムアンプが搭載されていて、環境分析を元にそれぞれのスピーカーのサウンドが調整されて出力されます。

HomePodに搭載されたビームフォーミング

ビームフォーミングとは本来、ある一定方向に電波の指向性を高める技術ですが、HomePodにもこれが搭載されていて、人のいる方向へ音を強く照射します。

6+1基のマイク、7基のツイーター、そしてハイパワーのウーファー。これらが全て連動して、部屋中に優れたサウンドスポットを作り出すのであります。

HomePodの弱点と強み

しっかりステレオ感を楽しみたいなら2台接続必須

HomePodは2台をステレオ接続することができますが、残念ながら単体では、音場やステレオ空間を感じることはほぼできません。特に、左右のパンを広く使った音源ほど、単体で聴くと残念な結果となります。それなりに音場や空間的広がりを楽しみたいなら、2台接続はほぼ必須と言えると思います。

そう考えると、HomePodはもともと70,000円帯のスピーカーであるということになりますね。まぁそれが高いかどうかは意見が分かれるところかもしれませんが、僕はサウンド面だけでも充分にその価値があると思います。

また、ステレオ接続HomePodでも、いわゆるハイエンドスピーカーと比べて、サウンドのクオリティーという点でHomePodが勝てる要素はまずないでしょう。しかし、HomePodの最大の強みは「心地よいサウンド空間の広さ」と「それが自動で構築される」こと。この2点については、どんな高級スピーカーでも実現不可能で、まさにHomePodにしかできないことです。

HomePod こんな人におすすめ

実際に使ってみて、HomePodをおすすめしたいと思う人はこんな人です。

  • iPhone & Apple Musicを使っている
  • 70,000円以上のスピーカーを買おうと思っている