Apple Musicでダウンロードした楽曲にはDRMというデジタル著作権管理技術が施されており、iTunesおよびiOSのミュージックアプリ以外では再生できません。しかし、時に別のアプリでちょっと再生したい時もあったりするもので、そういった時に役立つのがこの「Tunemobie iTunes Music Converter」であります。
Tunemobie Apple Music Converterとは
Apple Musicとオーディオブックを汎用のMP3とM4Aに変換。曲の情報を保持して16倍高速で一括変換・改名。好きなApple Musicの曲、どこでもどんなデバイスでも自由に聴ける!
TuneMobie Apple Music Converter for Mac、Mac用のApple Music変換ソフト
ちなみにTunemobileではなく「mobie」です。
はじめに。ちょっとお勉強。
Appleの音楽ストリーミングサービス「Apple Music」。4,000万曲もの楽曲を、いつでもどこでもストリーミング再生できて、Mac / iPad / iPhoneユーザーの僕としては大変重宝しています。しかし、というか当然ながら、DRM(デジタル著作権管理)により利用制限が設けられています。
DRMとはなんぞ?
デジタル著作権管理(デジタルちょさくけんかんり、Digital Rights Management、DRM)とは、電子機器上のコンテンツ(映画や音楽、小説など)の無制限な利用を防ぐための技術の総称。
デジタル著作権管理 – Wikipedia
Apple Musicの場合、簡単に言うと契約期間中だけ、指定のアプリ(iTunes / ミュージック)のみで再生できますよ。ということです。だから、MacやiPhoneの他のアプリでは再生できないんです。
m4pとはなんぞ?
m4pとは、AACコーデックのApple Musicの音楽形式で、上記のApple Music用のDRMが課されています。もちろん、通常は簡単にm4a(後述)やmp3に変換することはできません。
AACについてはこちらをご覧ください。
m4aとはなんぞ?
m4aも同じくAACコーデックの音楽形式ですが、DRMはありません。
というわけで、何かしらの方法でm4pをm4a(やmp3)に変換できれば、サードパーティアプリでも音楽を再生できるというわけです。
Apple Music Converterの仕組み
ちなみに、DRMを「解除」するのは違法ですのでご注意ください。
もちろん、このApple Music ConverterはDRMを直接的に「解除」するソフトウェアではありません。依頼者の方に確認したところ、公式サイト内で「DRM解除」という言葉を一部使っているのは便宜的なもので、「そのような効果が得られる」という意味合いだとのことです。
では何をしているかというと、Apple Musicの音楽をiTunesで再生しながら録音する、つまり「キャプチャ」しています。言うなれば、仕組み上はスクリーンショットとか画面録画とか、そんな感じのニュアンスです。
出力されたファイルは、個人利用の範囲で、またご自身の責任においてご利用ください。
レビューに使用したデバイスとアプリ
- MacBook Pro Early2015 macOS High Sierra 10.13.2
- iTunes 12.7.3.46
- Tunemobie Apple Music Converter for Mac ver2.7.6
- IINA 0.0.15 Build64(m4a再生確認に使用)
Tunemobie Apple Music Converterの主な仕様と特長
- Mac版 / Windows版
- 倍速変換(High Sierraは原速のみ)
- MP3、M4A、M4R、FLAC、AC3、AIFF、AU、MKAなどに変換可能
- ストリーミングで変換可能
- トラックのメタデータの保持・編集に対応
- 使いやすいインターフェース
- 旧型iPodにも取り込める
起動してみた
インストールは一般的なdmg形式なので割愛します。
早速起動。こんなインターフェースです。何もせずともiTunesのデータを読み込んで表示されています。

見えにくい場合は画面を拡大して見てください。Macの場合もトラックパッドのピンチで拡大縮小できます。
設定
ちなみに、アプリを起動すると、アクセシビリティの許可を求められます。「システム環境設定」の「セキュリティとプライバシー」を開きます。

「プライバシー」タブで、左下のロックを解除して「Tunemobie Apple Music Converter」にチェックを入れます。終わったらロックアイコンをクリックしてロックします。

さて、次はアプリの設定。例のごとく command + ,(カンマ)で環境設定が開きます。
一般タブから。こんな感じに設定してみました。

ポイントだけかいつまんで書きます。
音声変換スピードを調整
キャプチャ速度を設定できます。多くの同種製品は原速での変換となりますが、Apple Music Converterの特長として最大16倍速による変換が可能です。
ひとつご注意をば。macOS High SierraではOSの制限により原速変換のみとなります。
曲のタイトル、アーティスト、アルバムなどで出力を分類・改名
出力するファイル名やディレクトリを編集できます。僕はこんな感じにしました。
次は高級タブ。

プロファイル名が最後まで見えませんが、「M4A – Good Quality 44100 Hz」を選んでおきましょう。コーデックがm4a, ビットレートが256, サンプルレートが44100になっていることを確認してください。
mp3ならビットレート320がいいかもしれません。ちなみに、Apple Musicが44100Hzなので、48000Hzにしても意味ありません。
変換してみた
変換する曲を選びます。BeatlesのAbbey Roadを全曲選んでみました。まとめて選択しようと思ったんですが、ドラッグや shift 押しながらとかの定番の複数選択が使えず、一個一個選びました。

で、あとは上の「変換」アイコンをクリックすればスタート。

変換中の巻。ちなみに、変換中はiTunesで音楽が再生されます。音は出ません。で、iTunesの再生を途中でストップしてはいけません。要は再生しながらキャプチャしているので、変換後のファイルに空白が入ったりします。

変換完了。左下の「閉じる」ボタンを押して完了です。僕のMacはHigh Sierraなので、原速でのキャプチャとなりますので、アルバム丸ごと再生する時間がかかりました。

Finderで確認
ちゃんと設定したフォルダに、指定したファイル名で保存されていました。

サードパーティアプリで再生
IINAで再生。ちゃんと再生されました。ちなみにDRM付きを再生しようとしても、再生した瞬間に曲が終わります。

音質はどうなの?
Mac x Bose Soundlink Mini IIで聴き比べたところ、正直全く違いは分かりません。つまるところ、DRM解除と「同じような効果」が得られた、というわけです。ちゃんちゃん!
旧型iPodでもApple Musicが聴ける!
旧型のiPodでは、通常Apple Musicを利用できません。しかし、Apple Music Converterなら、この問題を解決することができます。
気になったところ
上記の、複数選択が一個一個選ばなければならなかったこと。あとはメインウインドウのライブラリで、アルバムアーティストやトラックIDなど、メタデータの表示を増やせるといいなと思いました。
価格について
2018年1月現在、Mac版 / Windows版ともに以下の価格で提供されています。
- 年間ライセンス: 1,980円(1台, 1年間)
- 永久ライセンス: 4,580円(1台, 永久)
- ホームライセンス: 8,980円(5台, 永久)
詳細はこちらの公式サイトにてご確認ください。
Tunemobie Apple Music Converterレビュー総括
音楽ファイルの変換というとなかなか敷居が高そうなイメージがありますが、Apple Music Converterはシンプルな操作性で簡単に変換することができました。
僕はほぼiPhone / iPad x ミュージックアプリでしか音楽を聴かないのですが、たまにサードパーティアプリ(なんか歓声があがるやつとか)をちょっと試したいと思う時があったので、そんな時に使ってみようと思っています。