USB Type-C / USB-C / USB3.0 / USB3.1 Gen2 / USB PD / Thunderbolt 3…USB-C周りの疑問を解決!

最終更新日 2019年3月16日

Appleが2015年にMacBook、2016年にMacBook Proのすべてのポートに採用したあたりから一気に普及へ加速した、USB-C(USB Type-C)。ただ、ひとくちにUSB-Cと言っても、なんかいろいろあるみたいでよく分からない!!という方(=自分)のためにまとめました。

この記事は、USB Type-C(USB-C)を中心に、紛らわしい用語やなんやを整理してスッキリしよう!という趣旨となります。

はじめに。そもそもUSBとは何だっけ?

ところで、USBってなんだっけ?ということを一応はっきりさせておきましょう。

イメージ的には、「データをやり取りするために機器と機器をつなぐケーブルの種類のひとつ」って感じだけど。

ユニバーサル・シリアル・バス(英語: Universal Serial Bus、略称:USB、ユーエスビー)は、コンピュータ等の情報機器に周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つである。

出典: ja.wikipedia.org

ほう。で、シリアルバスって何なん?

1ビットずつ順番にデータを転送するバスをシリアルバスと呼ぶ。

出典: ja.wikipedia.org

ふむ。じゃぁバスって何なん…。

バスとは、乗合自動車という意味の英単語。コンピュータの分野では、データ伝送路および伝送方式の一種で、複数の装置や機器、回路が一つの信号線を共有し、それらの間で相互にデータをやり取りできる構造のものをバスという。

出典: e-words.jp

なるほど。つまりUSBは「データをやり取りするために機器と機器をつなぐケーブルの種類のひとつ」ってことですね。

あと、ご存知のとおり、データだけでなく電流も供給できたりします。

USB Type-CとUSB-Cは違う?

同じです。USB Type-Cが正式名称。USB-Cは、たしかAppleがUSB Type-Cのことをこう呼びはじめて広まったもの。Ankerなどのケーブル・充電器メーカーもUSB-Cと記載することもあります。このブログでは主にUSB-Cと記載をしています。

そもそもUSB-Cとはなんぞ?

そもそもUSB-Cとは何のことなのか?まずはそれをはっきりしておきましょう。

結論。USB-Cとは「USBコネクタの形状」のことです。差込口、およびケーブルの先っぽの形状のこと。

USB-C
USB-C (USB Type-C)のコネクタ。表裏のないシンメトリーな形状が特長。

USB-Cとは機能のことではなくコネクタの形状のことです。

USB-Cとは機能のことではなくコネクタの形状のことです。

USB-Cとは機能のことではなくコネクタの形状のことです。

一応、2-3回言っておきますね。若干の語弊はあるかもですが、この認識で大丈夫です。

USB-C 勘違いあるある

USB-Cとは機能のことではないとはどういうことか。

実は、USB-Cケーブルだからといって必ず急速充電できるわけでもなければ、10Gbpsの超速データ転送ができるわけでもない。Thunderbolt 3対応ディスプレイを接続できるわけでもないのです。

つまり、USB PD(後述)で急速充電できるかどうかは「USB-Cかどうか」ではなく「USB PD対応かどうか」であり、Thunderbolt 3ディスプレイを接続できるかどうかは「USB-Cかどうか」ではなく「Thunderbolt 3対応かどうか」であります。

まずはここの認識をはっきりしておくことが結構大事かと思われます。

!?訳わからんのだけど!?とお思いでしょう。僕も思いまうす。でも大丈夫です。この記事をひととおり読めば、だいたい大丈夫です。たぶん。

USB-Cコネクタの形状の特長

USB-Cコネクタは、上下逆にしても同じシンメトリーな形状、かつホスト側(与える側)もデバイス側(与えられる側)も同じタイプCでOKという、夢のUSBコネクタなのであります。

これがどれだけ素晴らしいことかというと、従来のUSBと比較すれば一目瞭然。

従来のUSBは↓

  • ホスト側(パソコンなど)はタイプA、デバイス側(プリンタ、デジカメなど)はタイプBという決まりがある
  • タイプA、タイプBといっても、ノーマルA, ノーマルBのほかにMini A , Mini B, Micro A, Micro Bなどいろいろある
  • これらの全てが表裏のあるアシンメトリ形状

これが、「表裏なし」「ホスト側とデバイス側の区別なし」「単一形状」となったというわけです。

以上でお分りいただけるとおり、USB-Cはコネクタ形状を完全統一し、真のユニバーサルとなるべく現れた救世主なのであーる。

USB3.0 / 3.1, Gen 1 / Gen 2 とかってなんぞ?

Amazonとかでケーブル買おうとするとUSB2.0とか3.0とか3.1 Gen2とか見かけるけどぶっちゃけ何なん?って思ってる人ー!!しーん

進めますね。たとえばスマートフォンのアプリにはバージョンがあって、随時アップデートして機能向上とかするわけですけど、USBにも同じようにバージョン(正確には規格)があって、バージョンが違うと転送速度や電力の供給力などに違いがあります。

USBバージョン別仕様比較

USB規格仕様策定年データ転送速度電力供給力市場名備考
1.0199612Mbps--
1.1199812Mbps--Full Speed
2.02000480Mbps500mA x 5V = 2.5WHi-Speed USB
3.020085Gbps900mA x 5V = 4.5WSuperSpeed USB
3.1 Gen 120135Gbps900mA x 5V = 4.5W,
USB PD 最大 5A x 20V = 100W
SuperSpeed USB3.1以降 USB-Cコネクタ必須
3.1 Gen 2201310Gbps同上SuperSpeed USB 10Gbps
3.2 Gen 120175Gbps同上SuperSpeed USB
3.2 Gen 2201710Gbps同上SuperSpeed USB 10Gbps
3.2 Gen 2x2201720Gbps同上SuperSpeed USB 20Gbps
42019?40Gbps

コネクタ形状とUSBバージョンの関連性

従来のUSB、つまりUSB-A, USB-Bでは、USB3.0までしか対応しておらず、また、件のUSB-CはUSB3.1〜もサポートしています。

逆に、USB3.1以降はUSB-Cコネクタが必須となります。

整理すると、USB3.1以降対応のケーブルは必ず両方USB-Cコネクタですが、両方USB-Cだからといって、必ずUSB3.1以上対応のケーブルとは限りません。両方USB-CでもUSB2.0のものもあります。

また片方だけUSB-Cとか、変換コネクタかましてある場合などは、USB3.1に対応していない、USB3.0以下のケーブルということになります。繰り返しになりますが、USB3.1以上はUSB-Cコネクタが必須だからです。

USBコネクタ形状とバージョンの関連性
USBケーブルの種類 USB規格(バージョン)
USB-A – USB-Bケーブル 3.0以下
USB-A – USB-Cケーブル 3.0以下
どちらかにAtoC, BtoCなどの変換コネクタがかましてある 2.0 or 3.0
USB-C – USB-Cケーブル 2.0 or 3.0 or 3.1以上

USBのバージョンの互換性について

基本的に、上位バージョンは下位バージョンの互換性があります。たとえばパソコンのUSB3.0ポートにUSB2.0のケーブルを挿すと、USB2.0で動作します。

Gen 1, Gen 2とかって何なん

USB-Cが形状を統一して分りやすくなった反面、USBの規格名はカオスに向かっています。

USB3.1には2つのモードがあります。USB3.0と同じ5Gbpsのデータ転送速度のモードは Gen 1, 倍の10Mbpsのモードは Gen 2と呼ばれています。
さらに、2019年頃から実用化されるであろうUSB3.2では、これらに加えて 20Gbpsのモードが加わり、これを Gen 2×2と呼ぶそうです。

ざっくりまとめると、USB3.1, 3.2ともにGen 1は5Gbps(3.0と同じ), Gen 2は10Gbpsで、Gen 2×2(3.2のみ)は20Gbpsです。いい加減にしなさい!

まぁ、要するに転送速度が違うってことです。後述のUSB PDとはまた別のお話。

USB PDとは何なん?

さて、最近、周りにドヤ顔でUSB PDとか言って回ってるのはどこのどいつだい?私だよ!(にしおか)

なんか、Amazonとかで充電器とか買おうとするとたまに出てくるから気になってた人もいるのでは?というわけで詳しく説明したいと思います。

「USB PD」とは、規格上、最大100Wの電力を送れる、USBを使った電源供給の規格です。USB PDの「PD」とは、電源供給を意味する「Power Delivery」の略です。

出典: k-tai.watch.impress.co.jp

実用的には「USB PD = めっちゃ充電速い」という認識でOK。

以上、説明を終わりまーす。

USBと給電

ちょっとだけ、USBと給電についての歴史について触れたいと思います。

USB2.0以降、USBケーブルで給電できるようになりました。たとえば、MacのUSBポートににDVDドライブを挿したら動くよねーっていう、アレです。アレは、MacからUSBを介して電力が供給されている(バスパワー)から、DVDドライブに充電器を挿さずとも動くのです。

また、MacにiPhoneをケーブルでつなぐと充電できるよねーっていうアレも同じです。Lightningケーブル/コネクタについては触れませんが、これもUSBと同じという認識でOKです。

もともとはUSBの給電は、上記のDVDドライブの例のようなバスパワー用だったんだけど、充電式のモバイル機器が増えるとともにUSB BC (Battery Charging)が策定され、これまでデバイス毎にさまざまなだった充電ケーブルがUSBケーブルに統一されはじめた、というわけです。

しかし、充電機器といってもUSB BCの7.5Wで賄える小型のデジカメ的なものだけでなく、ハイパワーラップトップなどさまざまあるわけで、もういっそそれらまとめてUSBで充電・給電できるようにしようぜ!というわけで登場したのが「USB PD」というわけです。100Wまでの電力を供給できるとなれば、もはやほとんどのデジタルガジェットに給電できることでしょう。

USB給電能力比較

規格・コネクタなど電流電圧電力
USB1.x0.5A5V2.5W
USB2.00.5A5V2.5W
USB3.x0.5A5V4.5W
USB BC0.5 - 1.5A5V2.5 - 7.5W
USB-C - USB-C
(USB2.0 or 3.x)
1.5A5V7.5W
USB-C - USB-C
(USB2.0 or 3.x)
3A5V15W
USB PD2A5V10W
USB PD1.5A12V18W
USB PD3A12V36W
USB PD5A12V60W
USB PD3A20V60V
USB PD5A20V100W

USB PDはUSB-Cが必須

2014年にUSB-Cが登場、同時にUSB PD 2.0が策定され、以降USB PDはUSB-Cコネクタの採用が必須となりました。なので、今や「USB PDにはUSB-Cが必須」という認識で問題ないです。

ちなみに、USB PDは給電側、充電側、ケーブルのすべてがUSB PDに対応している必要があります。つまり、USB-C – USB-C以外のケーブルではUSB PDの急速充電はできません。もちろん、USB-Cの変換コネクタをカマしてもダメです。

USB PDは双方向充電が可能

従来、充電はホスト側→デバイス側への単方向のみだったのに対し、USB PDでは双方向へ給電できるのも特長です。

USB2.0のUSB-CケーブルでもUSB PD充電はできる?

前述のとおり、USB-C – USB-CケーブルでもUSB2.0対応(3.0以上非対応)のものもあります。では、このケーブルでUSB PD充電ができるのでしょうか?

結論。USB2.0か3.xかどうかは関係なく、あくまでそのケーブルがUSB PDに対応しているかどうかだけが基準となります。

たとえばこちら↓。USB2.0だけど、PD対応とあるのでPDの急速充電ができます。

USB-CとThunderbolt 3の違いは?USB-Cのオルタネイトモード

あのさー、なんかさー、MacBook Proのポートどう見てもUSB-Cなんだけどさー、Thunderbolt 3とか書いてあってわけわかんねー何が違うんー(汁)

説明しよう。ここまで、どれだけUSB-Cが素晴らしいかということをひたすら書き続けてきたわけだが、極めつけを書く。

USB-Cには「オルタネイトモード」なるものがあり、HDMI, Thunderbolt 3, DisplayPortなどの他の規格の役割も果たすことができるのであーる。

すごいよね!

もうちょっと丁寧に言うと、USB-Cケーブルを使ってUSB以外のデータを転送できる、というもの。もはやなんでもアリになってまいりました。

というわけで、MacBook ProのUSB-CポートはThunderbolt 3でもある、というわけです。

余談・MacBook Air 2018とMacBookのUSB-Cポートは違う

仕様を見ると分かりますが、MacBook AirとMacBookのUSB-Cポートは機能が全然違います。ここまで読まれた方なら、どんな違いがあるのか、一目瞭然で分かることでしょう!

どんなUSB-Cケーブルを買えばいいのか。シーン別おすすめ

おすすめケーブルを挙げます。

シーン1。とりあえず充電できればなんでもいい

USB-CのスマートフォンやiPadを持ってて、USB PDとかどうでもいいから充電できればそれでいい、という場合。充電だけしかしないならUSB2.0が安くておすすめ。

充電器側がUSB-Aの場合

充電器側もUSB-Cの場合

または、MicroUSBやLightningコネクタをUSB-Cに変換するアダプタをかましてもOK

シーン2。USB PDで急速充電したい

USB PDで急速充電するには、「充電器」「ケーブル」「デバイス」のすべてがUSB PDに対応していなければなりません。

まずはスマートフォンなどのデバイスがPDに対応していることを確認。iPhoneなら X / XS / XS Max / XR / 8 / 8 Plus、iPadならPro 12.9 / 10.5 / 11。(2019-3現在)

デバイス側がUSB-Cの場合は、USB PD対応のUSB-C – USB-Cケーブル。

デバイス側がLightningコネクタの場合は、Lightning – USB-CケーブルでUSB PD対応のもの、なかでも、MFi認証と書いてあるのを選ぶべきです。

充電器もPD対応のものを選びましょう。USB-Cポートに加え、 Amazonの説明とかにPDと書いてあるやーつです。

また、iPhoneなら18Wの充電器でOKですが、iPadやMacBookにも使うなら30Wがおすすめです。

シーン3。USB-C搭載MacからiPhoneとかiPadを充電したい、データを転送したい

デバイス側がUSB-Cの場合

デバイス側がLightningコネクタの場合

USB-Cの問題点

とまぁいろいろ書きましたが、当然問題点もあるわけです。それは、これまで書いてきたことからも分かるとおり「コネクタが同じなのに機能が違う」ということ。見分けがつかないっていう。

問題っていうか大問題な気もしないでもない。せめてコネクタ形状以外の外観で分かるようにしてもらわないと困るわけです。まぁ、大抵の場合「機能しない」ではなく「最大性能を発揮できない」だけなので問題ないといえばあまりないのだけれど。

まとめ

USB-C周りの疑問、だいぶ解けたのではないでしょうか。ポイントをまとめると、

  • USB3.1以降はUSB-C。転送速度が超速い
  • Gen xは転送速度の違い
  • USB PDは超速い充電
  • HDMIやDisplayPort, Thunderboltなどにもなれる

これまでの歴史の中で、膨大な規格によりカオスと化したコンピュータ/ガジェット周りのケーブル、コネクタ事情。しかし、USB-Cが天下を統一する日は近い。まだまだ問題はあれど、よい方向に向かいつつあるのではないかと思います。

参考文献