Apple Musicを迷っている方へ。評判は?メリットは?Spotifyとの違いは?徹底解説

Takashi Fujisakiのアバター
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こんにちは。最近、僕の身近な周りにもApple Musicユーザーが増えてきて嬉しい限りです。

僕はもともと音楽屋さんだった経験もあり自称それなりの音楽ファンだと思っていますが、2016年くらいからずっとApple Musicのお世話になっています。

Apple Musicとはどんなものか?まずは知っていただきたいと思い、概要を網羅的にまとめました。それとともに、僕自身どのように音楽体験が変わったのか?それによって生活がどう変わったのか?実体験をもとにApple Musicの魅力ををお伝えしたいと思います。

はじめに。ここ1年、周りにApple Musicユーザー増えてきてうれしい

僕はかれこれApple Musicを3年くらい使っています。その素晴らしさを周りの音楽ファンに伝えてきたつもりですが、やはり「サブスクの壁」が高いらしく、なかなか使うには至りませんでした。

でも今年、知り合いが無料体験を使い始めた途端「使ってみてやっと言ってたことが分かった!これはもう戻れない」と言っていました。正直、自分のプレゼン能力の低さに愕然としたと同時に、やっぱ最後には「この新しい音楽体験は、自分で使ってみなきゃわからない」ということなのかも?と実感しています。

僕のまわりでは、ここ1年ほどで4人がApple Music(無料トライアル中も含む)を使い始めています。もちろん世界では音楽サブスク・ストリーミングが主流です。

僕はApple MusicユーザーなのでApple Musicのことを書きますが、Apple Musicでなくてもいいんです。この記事をきっかけに、音楽サブスクの魅力に触れる方が増えたらいいなーという思いです。

Apple Musicでできること

Apple Musicでできることや特長をまとめてみました。

  • 定額で6,000万曲以上が自由に楽しめる(2020年1月現在)
  • 複数のAppleデバイスでライブラリやプレイリストを共有できる
  • 「Favorite Mix」「New Music Mix」「Chill Mix」といった、自分におすすめのMixを毎週(AIが)作ってくれる
  • Apple Musicにないオリジナル曲などもストリーミング再生できる
  • ミュージックビデオも観れる
  • 楽曲やMVをダウンロード再生もできる
  • 支払いはiTunesカードやキャリア決済でもOK

Apple Musicのメリットは?どんないいことがある?

CDから音楽を取り込んで同期する作業が一切なくなります

CDの取り込みや同期の面倒がすべてなくなります

まずは、CD派の方がiPhoneで音楽を聴くための方法がこちらです。

  1. CDを買います
  2. Mac / PCのミュージックアプリ(またはiTunes)に取り込みます
  3. iPhoneに同期します
  4. 同期が終わるまで待ちます
  5. 聴きます

それが、Apple Musicでこうなります。

  1. 定額料金を支払います(年1回〜, 自動)
  2. 聴きます

CD派の方は、まずパソコンが必要なうえに、いったんパソコン音楽を取り込んでからiPhoneに同期する、という面倒な手順が必要です。もちろん、新しい曲を聴こうとする度にこの作業が必要です。

さらに、CDやパソコンで取り込んだ音楽を、自分で、半永久的に管理しなければなりません。

しかしApple Musicなら、これらの手間がすべてなくなります。

考えてみてください。ただiPhoneで音楽が聴くためだけに上でお話したような作業をするのってすごく大変じゃないですかね?僕はその取り込みをする手間で別のやりたいことをやりたいです。

ライブラリやプレイリストがすべてのデバイスで同期されます

Apple Music以前は、プレイリストの同期はMac / PCから各デバイスへ1対1の同期しかできませんでした。Apple Musicなら、どれかのデバイスでプレイリストを変更すれば、すべてのデバイスへ自動的に反映されます。

たとえばこんなプレイリストをiPhoneに登録したら、iPadにもMacにもApple TVにも反映されます。

当時の苦労を知ってる身としては、便利すぎてうれし涙が止まりません…。

自分のオリジナル曲もストリーミングできます

自分のバンドのオリジナル曲とか、Apple Musicにない楽曲はどうやって聴くの?って話ですが、これはMac / PCに一旦取り込む必要があります。

ただし。Apple Musicの素晴らしいところはここから。これらオリジナル曲も「ストリーミング再生」できます。

どういうことか説明しましょう。つまり、Mac / PCでミュージックアプリ(iTunes)に取り込んだ楽曲は、手動でiPhoneに同期する作業をせずとも、iPhoneのミュージックアプリのライブラリに出てきます。そして、ダウンロードせずともストリーミング再生できます。

もちろんiPhoneだけではなく、iPadでも、Apple TVでも、2台目のiPhoneでも聴けます。

これは厳密にはiTunes Matchの機能ですが、Apple Musicを契約することでこの機能も利用できる、というわけです。

ミュージックビデオも観れます

ミュージックビデオも収録されていて、MVなども高画質で手軽に観ることができます。

たとえばこちら↓はKIRINJIの「killer tune kills me (feat. YonYon)」。

自分の知らない音楽にたくさん出会えます

「For You」というレコメンド機能により、新しい音楽に出会える機会が圧倒的に増えます。

ちなみに、僕の今週のNew Music Mixはこちらです。(毎週更新されます)

詳しくは記事の最後の方でお話ししますので、どうぞご覧ください。

Apple Musicってコスパいいの?

「いいのはわかるんだけどサブスクがね…」

Apple Musicは年間9,800円です。これで60,000,000曲(6千万曲, 2020年1月現在)が聴き放題となります。

「9,800円って高くね?」と思ったそこのあなた。たしかに諭吉さん1人は大きいですよね。

でもよく考えてみてください。CDは3,000円買い切りでだいたい15曲。 9,800円で50曲程度聴ける計算です。

これはCDを買った場合の話ですが、じゃぁレンタルの場合はどうでしょう。レンタルでもアルバム100円15曲として9,800円で1,470曲。

60,000,000曲と1,470曲、単に曲単価のコストでは比較になりませんね。もちろん、CDの方は自分の好きなアーティストに限定されてるので聴きたい曲かどうかの密度は高く、一概にどうとは言えません。とはいえ「桁違い」の差があるのはおわかりいただけたと思います。

僕がこれまでCDに費やした金額はなんと、Apple Music 255年分だった…

僕がApple Music以前に所有していたCDは約1,000枚。1枚2,500円として250万円です。15曲入りだとすると15,000曲。で250万円です。今計算して震えました…。

250万円って、Apple Music 255年分ですよ!僕がこれから50年Apple Musicを使ったとしても49万円。もちろんサービスがずっと同じ価格で存在しづづけたらですけど。

残りの人生49万円で音楽聴き放題になると考えると、驚きのコスパだと思いませんか?

自分の好きなアーティストは聴けるの?

これは重大な問題であります。幸いApple Musicは3ヶ月も無料体験ができます(業界最長)ので、こればかりは試してみるのが確実です。

Apple Musicを3ヶ月無料で体験する

Apple Musicって音質いいの?

AAC, 256kbpsは「充分に楽しめる音質」

AirPods Pro
iPhone x AirPods ProでApple Musicを楽しんでいます

3年ほどApple Musicを使っての結論は「充分によい」です。音質を気にすることなく、充分に音楽を楽しむことができています。

僕はギタリスト・アレンジャーとしてさまざまなレコーディングなどを行ってきたので、それなりに音にはこだわりがあるつもりです。このブログでもたくさんのスピーカーやイヤフォン類の紹介をしてきましたね。

そんな僕ですが、Apple Musicの配信楽曲を「音質が悪くて聴けない」と思ったことはありません。もちろんCDなどに比べたら音質が落ちるのは事実ですが。

Spotifyとの音質比較は「互角」

ちなみにApple Musicの楽曲のデータは「256kbps, 44,100kHz, AAC」で、Spotifyは「320kbps, 44,100kHz, MP3」です。

あえて専門的な話はしませんが、「xxx kbps」の数字は高い方が音質がいいです。また同じ数字なら「MP3」より「AAC」の方が音質がいいです。44,100kHzはここでは言及しません。

では上の2つのどっちが音質がいいかというと、互角と言われています。少なくとも僕には違いがわかりません。

また僕が「音質が気になって音楽が聴けない」となるのは「160kbps, MP3」くらいからです。「192kbps, MP3」くらいがギリ、みたいな感じです。

モバイル通信時はビットレートが落ちるかもしれない

Wi-Fiではなく、4G, LTEのようなモバイル通信時は「xxx kbps」が下がるという説があります。つまり、データ量が軽く音質が落ちるということです。

ネット上の有志がデータ通信量から測定した値から見ると、Wi-Fi 環境で聴く場合には、 Apple Music のビットレートは 256kbps となりキャリア通信時は 128kbps か 192kbps 程度になることも分かりました。

【徹底解説】Apple Music の音質と Apple Music をもっと高音質で聴く方法 | NoteBurner

ハイレゾと比べてどうなの?

これについてはいろんな解釈があると思います。聴き比べると違うと感じるかもしれませんが、ハイレゾは音の処理の最終工程(マスタリング)が違ったりするので、その違いが音質によるものだとは一概に言えないこともあります。

音質にこだわるならヘッドフォン・イヤフォンにこだわろう

また、僕はハイレゾとApple Music音質を「利き音楽」で聴き分けることはできないと思います。それよりもイヤフォンやスピーカーによる違いの方がはるかに大きいです。こちらは明らかに違います。

僕のお気に入りはBoseです。音的にはヘッドフォンの方がよりオススメですが、用途次第だと思います。

以下は、僕が実際に使っている(た)Boseヘッドフォン・イヤフォンです。

かつては、AirPods ProでApple Musicを聴いていました。完全ワイヤレス x ノイズキャンセリング x 外部音取り込みが素晴らしいと思います。もちろん音質も素晴らしいですが、音質的にはBoseの方が好みです。

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Apple MusicとSpotifyで迷ってるけど違いは?

ほかにも音楽サブスクはありますが、もっとも有名なSpotifyと比較していきます。

Apple Music と Spotify 価格比較表

まずは価格比較。特筆すべき違いはApple Musicには年間プランがあることと、Spotifyには無料版があること。これ以外に金額的な差はありません。

長く使うなら、割安の年間プランがあるApple Musicに分がある感じです。

Apple MusicSpotify
980円 / 月980円 / 月
9,800円 / 年年間プランなし
学割 480円 / 月学割 480円 / 月
家族プラン 1,480円 / 月家族プラン 1,480円 / 月
無料版なし無料版あり
3ヶ月の無料トライアル1ヶ月の無料トライアル

Apple Music とSpotify 配信楽曲の違いは?

Apple MusicSpotify
6,000万曲以上5,000万曲以上

配信楽曲についてですが、2020年1月現在ではApple Musicの方が1,000万曲ほど多いようです。ただし、自分の好きなアーティストが配信されているかどうかは、実際に無料体験で試して確認してみてください。

AppleユーザーにはApple Musicがおすすめ

Image by Jan W. from Pixabay

僕は、iPhone / iPad / Macユーザーならやっぱり「Apple Music」をおすすめします。理由は、Apple純正の「ミュージックアプリ」に統合されていること。

ミュージックアプリに統合されていることのメリットはいくつかありますが、まずSpotifyアプリを別途インストールして、音楽アプリを1つ増やす面倒がありません。

ほかには、Siriを使う場合。SpotifyでSiriを使う場合「Hey Siri, Spotifyで xxxx を再生して」となり、「Spotifyで」というひとことが必要です。Apple Musicの場合は「Hey Siri, xxxxを再生して」でOKです。

最後に、Apple MusicもiOSもiPhoneもすべてAppleが作っているものであり、その安心感や信頼性はサードパーティより高いと言えます。

これは音楽プラットフォーマーというだけでなくハードウェア・OSを含めた「垂直統合プラットフォーマー」Appleのもっとも強い部分と言えるでしょう。

というわけでiPhoneユーザー、その他のAppleデバイスユーザーなら僕はApple Musicをおすすめしたいです。

Apple Musicを3ヶ月無料体験してみる

無料で使いたいユーザーにはSpotifyがおすすめ

無料で楽しみたい場合は、さまざまな制限はありますが無料プランのあるSpotifyを使ってみましょう。

Apple Music 家族で使うならファミリープランがお得

ファミリープランというのがあり、最大6人まで共有できます。

ファミリープランは1,480円/月。2人で使うと1人あたり年間 8,800円/年で本来の9,800円/月より少しだけお得。3人以上ならかなりお得になります。

Apple Musicで変わった音楽体験。音楽サブスクの本当の価値は価格や利便性ではない

Apple Music(Spotifyやほかのサービスも同じですが)で僕の音楽体験は劇的に変わりました。

Apple Music前の音楽体験とApple Musicユーザーとなった今の僕の音楽体験は、劇的に違います。控えめに言っても167度くらい違います。

最大の違いは「これまで聴かなかったアーティストや楽曲をめちゃめちゃ聴くようになった」こと。

これまでの何十倍、何百倍という楽曲に出会えた

これまでは「聴きたい曲」しかiPhoneに入っていないし、それしか聴かなかったわけです。つまり、TVや雑誌、映画の主題歌などから「興味をもったもの」だけを聴いていたわけです。逆に言えば、それ以外は聴かないということ。

しかしApple Musicは、自分が普段聴いている曲をもとに、自分におすすめの曲を提案してくれるのです!レコメンド機能ってやつですね。Amazonとかであるじゃないですか。「あなたにはこちらの商品もおすすめ」みたいな。これがヤバい。

具体的には「New Music Mix」「Chill Mix」「Favorite Mix」という3つのMixを毎週提供してくれます。これは、普段自分がよく聴いている曲やアーティストをもとに、Apple Musicの6,000万曲の楽曲の中から、AIが自動的におすすめリストを作成してくれる機能です。

最初は精度低いんですが、しばらく聴いているうちにだんだん精度が上がってきて、「知らない曲だけどドンピシャ!誰?」ってのがだんだん増えてきます。そうして今度はそのアルバムやアーティストに興味持って聴いて、さらにそれをもとにオススメMixが作られて…と、どんどん自分好みかつ自分にとって新しい音楽体験が無限に生まれていくのです。

当たり前のことを言いますが、これは、CD(ダウンロード)購入方式では絶対にできない体験です。TVなどのメディアと、これらレコメンド機能とでは、新しく触れる機会も、それに興味をもつ可能性も圧倒的に違います。

元音楽屋さんの僕ですが、Apple Music以降いかに狭い世界で生きてきたかを実感しています。

擦り切れるまで聴いた思い出も大切な音楽体験

もちろん、どちらがいいとは一概には言えません。お気に入りのアーティストのお気に入りの楽曲を擦り切れるまで聴きまくったのもとても大切な音楽体験だし、深く心に残っているのはもちろんそういう音楽たちです。

「あの曲を聴くとあの頃を思い出すなぁ。」
「あの人と付き合ってるときに聴いてたな」

と、音楽を聴いて懐かしむ経験は皆さんも経験があると思います。

でもサブスクだからと言って、同じ楽曲を擦り切れるまで(iPhoneは擦り切れないけどね…)聴いてはいけないわけではありません。ときにはアホみたいに同じ曲をリピートで聴くことだってあります。

たとえば昨年2019年は、キリンジの「エイリアンズ」を聴きまくってました。

あの頃聴いていた曲を思い出させてくれる

もともとKIRINJI(キリンジの第2世代)が好きだったんですが、2000年の発売から20年の時を経て、Apple Musicさんのレコメンドにより突然スイッチが入り、延々聴きまくった次第です。

このように、新しい出会いだけではなく、昔の曲をふと思い出させてくれるのも、音楽サブスクリプションの魅力だと思います。

皆さんの思い出の音楽はなんですか?Apple Musicで探して思い出にひたってみるのもいいかもしれませんね。

Apple Musicで音楽体験をアップデートしませんか?

CDやダウンロード購入で買っていた時代と今では、音楽との付き合い方がまったく変わってしまいました。さきほどお話したとおり、CDにはCDの素晴らしさがあるのは確かです。同じように、サブスクにはサブスクの素晴らしさがあります。特に、類似アーティストの提示、おすすめMixといったレコメンド機能が、新しい音楽の世界を見せてくれることでしょう。

最後になりますが、Apple Musicはなんと3ヶ月も無料でお試しができるので、その間、存分にApple Musicの素晴らしさにふれてみてください。さようなら!