AirPods Pro vs Bose QuietComfort Earbuds 人気のノイキャン搭載完全ワイヤレスイヤフォン徹底比較!

Takashi Fujisakiのアバター
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こんにちは。元音楽屋さんのイヤフォン大好きおじさんです。最近のイヤフォン遍歴は、Bose一辺倒が数年 → AirPods Pro登場以来AirPods Pro → Bose QC Earbuds買った(今ここ)って感じです。

ちなみに僕はBoseが大好きですが、Appleも大好きです。そしてどちらの回し者でもありません!というわけで、Apple AirPods ProもこれまでのBoseイヤフォンも使い込んできた経験もふまえて、この2つのノイキャン搭載完全ワイヤレスイヤフォンを忖度なしで比較したいと思います。

Apple AirPods Pro

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比較用に使った主な試聴音源

バランスがよく録音クオリティも非常に高いKIRINJIの最新アルバムから。リズム隊の生々しさがエグい。

イヤフォン本体の装着感・サイズ感を比較

まずは装着感から。AirPods Pro, QC Earbudsいずれも、いわゆるカナル型という耳の中に差し込むタイプ。密閉性が高いので音漏れしにくく、低音も逃げにくい形状が特長。

ただ、両者で大きく違う点がひとつ。AirPods Proは、スタンダードなカナル型なのに対し、QC EarbudsはStayHear®️Maxという、Boseのエンジニアさんたちが10年以上も改良を続ける三日月型のイヤーチップを採用している。

これがBoseイヤフォンの大きな魅力のひとつで、高レベルの装着感を醸し出してくれるのです!

人によるとは思うけど、僕の場合は通常のカナル型は相性が悪くズレやすいです。AirPods Proでストレッチとか筋トレしてるとズレてきて最悪落ちる。落ちないにしても、カナル型はズレると音の聴こえ方が変わってしまう。左右でチグハグな音になっちゃったり。

ところが、Boseシリーズのイヤフォンではどんなに筋トレしてもストレッチしても激しいHIITしても、ズレを感じたことはまずない。ちょっと手がぶつかったりしても落ちない程度にしっかり装着される。

一見デカそうなBose QC Earbudsだけど意外と馴染んで見える。AirPods Proの方が見た目の存在感は強い

QC Earbudsも、着けてみると見た目的にはそこまで主張しないし邪魔でもないかな?ただ、重みとフィット感がある分「着けてる感」はある。

AirPods Proの方が着けてる感は少なく軽快。ただし「AirPods着けてる感」って感じですね。それがいいところなんだけど。

というわけで、装着の安定感に関してはBose QC Earbuds着け心地・軽快感はAirPods Proといった感じでしょうか。

イヤフォン本体の操作性を比較

うどんをつまんで操作するAirPods Proとトントン叩いて操作するQC Earbuds

イヤフォン本体を使ってどんな操作ができるか。また操作しやすさはどうか。結論からいうと、AirPods Proの圧勝と言わざるを得ない。その理由を説明しましょう。

AirPods Proの基本的な操作はうどんつまみ方式。対してQC Earbudsはイヤフォン本体をタップして操作。この違いが地味に、いや大きく操作性に影響してくる。

まず、QC Earbudsから。AirPods Proに比べて、QC Earbudsの操作性には以下のような4つのポイントがある。

  1. イヤフォンをトントン叩くと耳に響く
  2. 同じ操作でも左右で機能が違う
  3. 操作を受付できたのかわかりにくい
  4. ノイズキャンセリングがどの状態なのかわかりにくい

まずひとつめ。イヤフォンをタップすると、「ボフボフッ!」と耳にタップ音が伝わってくる。操作するたびにこのストレスを味わうのは、なかなか微妙だなぁ、と。慣れたらあんま感じないっちゃ感じないけど。

2つめ。同じ2回タップ、同じ長押しでもでも左右で機能が違うってのが地味に面倒だったり。たとえば右のイヤフォンを2回タップで再生・停止。対して左のイヤフォンを2回タップでノイズキャンセリングのレベル変更。

「覚えれば大したことなくね?」とお思いかもしれないけど、慣れ以外に大きな問題があるんですよ。それは、たとえば左手しか空いていないときに右のイヤフォンを操作できない、正確にはすごいメンドクセー!ということ。左手を右耳側に回して、顔側に向けてトントンするのはだいぶ面倒だと僕は感じます。まぁまぁの確率で失敗するレベル。AirPods Proは左右とも同じ挙動なので、どちらの手でも同じ操作ができるし間違えることもない。

3つめ。AirPods Proはうどんをつまむと「カチッ」という音と感触が返ってくるので、操作を受け付けてくれたかどうかがわかりやすい。対してQC Earbudsはそれがないので、操作が成功したのかどうかわかりにくい。

4つ目、ノイズキャンセリングの切り替えについて、AirPods Proは有効・無効で効果音が違うので直感的にわかるのに対して、QC Earbudsはすべて同じ効果音なので、ノイキャンのオンオフ切り替えが直感でわからない。

イヤフォン本体での音量調節

QC Earbudsには期待していたのです。イヤフォン本体で音量を操作できることを!

しかし、音量どころか曲送り・曲戻しもできない模様で、なかなかにガッカリしています。アップデートに期待。

というわけで、操作性に関してはAirPods Proの圧勝!という結論は必然かと。

音質を比較

音質の話は好みだったり宗教性もあるので言及が難しいところですが、僕なりの印象や違いを書こうと思う。

まずはQC Earbudsから。装着してお気に入りの曲をかけた瞬間…あのBoseサウンドが蘇る!!期待を裏切らず、Boseサウンドそのままに帰って来てくれた、そんな感動を覚えるには充分すぎるほど。

Boseと聞くと鬼のブースト低音、みたいなイメージをもっている方もいるかもしれませんが、きょうびのBoseはちょっと違う。僕なりの解釈はこんな感じです。

近年のBose = 全体のバランスはよく、少し音を元気にした感じ

エフェクターでいうところのエンハンサーをちょっとかました感じ。高音と低音がやや強調された、いわゆるドンシャリ風。

AirPods Proは非常にフラットでクセのない素直なサウンドなのに対して、QC Earbudsは音は硬めで重厚感があり、ロック系のサウンドが特にしっくりくる。

スネアやベードラのアタック感や胴鳴りが生々しく伝わってくる感じはまさしくBoseサウンドそのもの。そしてディストーションギターのパワーコードミュート弾きで震えろ…!的な。

抽象的かつ主観的な表現でアレだけど、QC Earbudsの方がより音楽的に聴こえる。音が生きている、というべきか。その違いは、こういったオルタナ系のサウンドでより明確になる。

専門的なことはわからないけど、単にイコライジングの違いだけではない、なにか哲学的な違いを明確に感じる。

結論。QC Earbudsは、期待を裏切らないBoseサウンド。迫力あるサウンドを求めるならQC Earbuds。ナチュラルなサウンドならAirPods Pro。

BoseファンならQC Earbuds。

ノイズキャンセリング・外部音取り込み性能を比較

かつて僕が「耳のVR」と評した、ネックバンド式のワイヤレスイヤフォンBose QuietControl 30のノイズキャンセリングの性能。、今回のQC Earbudsも、それと同等の非常に高いクオリティをもっていると感じる。喫茶店の60dBくらいの環境でもクリアに音楽を楽しむことができる。充分すぎる性能。

そして、外部音取り込み機能もいたって自然。着けてないのと変わらない透明性で自然な環境音が再現される。

ただひとつだけ、ネックバンド式のBose QuietControl 30のときから気になってたのと同じ課題が。それは風の音。外部音取り込み状態で強風に煽られると、不自然な風の音が鳴る感じ。その点AirPods Proはより自然な風の音って感じで、AirPods Proの方が一枚上手か、という感じ。

結論。QC Earbudsのノイズキャンセリング性能は非常に高い。しかしAirPods Proのクオリティが一枚上手

ノイズキャンセリングレベルの調節

AirPods Proがノイキャンオン・オフの2段階なのに対し、QC Earbudsはノイズキャンセリングレベルを11段階に調節可能。そしてノイキャンレベルを3つプリセットしておいて切り替えができるのが特長。QC Earbudsの方が細かく融通がきく。(どれだけ需要があるかはまた別の話。)

複数デバイスでの切り替えは?マルチポイント対応は?

ある意味、この比較の最大の焦点ともいえる「複数台デバイスをいかにスムーズに切り替えできるか」。

結論から言ってしまおう!QC Earbudsはマルチポイントに対応してないのです!残念。まぁ公式サイトにも全然謳われていなかったし勝手に期待してただけなんだけど。ちなみに2020年10月現在、マルチポイント対応完全ワイヤレスイヤフォンはJabra 75t系だけだそうです。

AirPods Proもマルチポイント非対応ですが、先日のアップデートで簡単にデバイスの切り替えができるようになったということで、この点ではAirPods Proに軍配

充電ケースの使い勝手を比較

サイズ感

まずはサイズから。圧倒的なサイズ差。体積2倍くらいは違うかな。かといってQC Earbudsが他に比べて超デカいかといったらそうでもないし、こちらもただただAirPods Proのコンパクトさがいかにヤバイかがわかるという結論。

充電インジケーター

AirPods Proのケースは1つのインジケータとランプの色で残量を教えてくれるんだけど、ぶっちゃけちょっとわかりにくい。QC Earbudsは5つのLEDで残量を表示してくれるので、よりわかりやすい。といった感じ。

ケースの開けやすさ

AirPods Proはマグネット式で、片手でもラクに開けられるけど、QC Earbudsは前面のボタンを強めに押し込まないと開かない。閉めるときも「ガチっ」て感じ。そんな堅牢さがBoseっぽいけど。

イヤフォンのしまいやすさ

うどんをケースに差し込むAirPods Proはちょっとしまいづらいし、実際しまうときちょいちょい落としてしまう。置くだけのQC Earbudsの方が置きやすいし落としにくいと感じる。

防水・防塵性能を比較

AirPods Pro, QC Earbuds いずれもイヤフォン本体はIPX4という「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」耐水性能。まぁ、日常生活でかかるレベルの水なら大丈夫、といった感じです。汗も大丈夫。

トイレやお風呂にどっぷり落としちゃった…というところまでは面倒見てくれないよ。

バッテリー・充電性能を比較

AirPods ProBose QC Earbuds
連続4.5時間再生連続6時間再生
ケース充電で24時間以上再生ケース充電で18時間再生
ワイヤレス充電Qi対応ワイヤレス充電Qi対応
LightningコネクタUSB-Cコネクタ

連続再生時間で比較すると、Bose QC Earbudsが6時間と長く再生できます。ケース充電込みならAirPods ProはAirPods Proの方が上。とはいえ、いずれも充分な再生時間で、実用に影響はないかと。

また、どちらもワイヤレス充電Qiに対応しているのが、まじで神だと思う。家に帰ってきてケースを充電パッドに置くだけ。もうコネクタ充電オンリーのイヤフォンには戻れる気がしない。

というわけで、コネクタの形状の違いなど些細なことであります。結論。充電まわりは優劣なし

Apple AirPods Pro vs Bose Quietcomfort Earbuds 徹底比較総まとめ

大のBoseファンの僕ではありますが、今回両者をガチ比較してみてわかったこと。それがこちらです。

AirPods Proの性能がガチすぎる…!

サウンドの好み以外はほぼAirPods Proの完勝といった感じです。あらためて近年のAppleの音楽に対する本気度を感じました。すべてはApple Musicのために!といった感じだろうか。

そして、もうひとつわかったことがある。それは、

やっぱBoseの音が好きだな!

Boseの音は僕の心を震わせてくれる。

といったところでさようなら!

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