M2 MacBook Air、ついに登場しました。デザインも一新したM2 MacBook Air。なにがどう変わったのか?進化したポイントは?そして、果たしてM2 MacBook Airは買うべきなのか!?Mac歴20年のベテランユーザーが徹底的に考察します。
この記事でわかること
M2 MacBook Airのどこが新しいのか?どこが優れているのか?がわかります
M2 MacBook Air を買うべきかどうかの見極めポイントがわかります
ここが新しい!M2 MacBook Air 3つの特長
まずは、今回登場したM2 MacBook Airの、従来のMacBook Airと比べて目立ったポイントを3つ挙げてみます。
- 大幅にリニューアルされた筐体デザイン
- 新色ミッドナイト & ボディと同色のケーブル・充電器
- 13.6インチのノッチ付き角丸ディスプレイに
リニューアルされた筐体デザイン
長らく変わっていなかった、ある意味「完成形」と言えるMacBook Airのデザインがついに一新。M1 Pro MacBook Proと同じようなより直線的なデザイン、そして大きなAppleマークに変更されました。時代を牽引するデザイン性は今年も健在です。
新色ミッドナイトが登場
スペースグレイよりさらにダークなカラーのミッドナイトが登場。歴代Macでも初のカラーです。公式サイトの画像では濃いネイビーのように見えます。iPhone 12 のミッドナイトみたいな感じでしょうか。やっぱり新色は物欲センサーを刺激しますね。見た瞬間アドレナリンが出まくりました。
また、本体と同じカラーの充電器、ケーブルというのもラップトップのMac初の試みだと思います。ドヤり指数がさらに
13.6インチのノッチ付き角丸ディスプレイに
M1 MacBook Pro と同じノッチ付きディスプレイに変わりました。これにより、従来ベゼルだった部分にメニューバー部分を表示できるようになり、さらに画面を広く使えるようになりました。画面の小さいMacBook Air待望の進化です。
また、上部の角が丸いディスプレイになりました。近年のiPhoneやiPadでもお馴染みの角丸ディスプレイ。この角丸の液晶ディスプレイをApple的には「Liquid Retinaディスプレイ」をを呼んでいるそうです。MacBook AirもついにRequid Retinaディスプレイの仲間入りを果たしました。
ここがすごい!M2 MBA はこう進化した
M1 MacBook Airに比べて大小さまざまスペックが向上しています。その中でも、目立って大きく進化していると感じる点を4つ挙げてみます。
- 驚異的な薄さ!なんと30%も薄く
- メディアエンジン搭載!より快適な動画編集
- 本体スピーカーの空間オーディオ対応
- MagSafe充電対応
驚異的な薄さに!なんと30%, 4.8mmも薄くなった
これがいちばんすごい。M2 MBAを欲しい理由筆頭候補ではないでしょうか。そもそもM1 MBAが1.61cmしかなかったのに、さらに30%減の1.13cmという薄さに。Appleふうにいうとまさに驚異的。MacBook Airはやっぱり持ち運んでナンボ!薄ければ薄いほど嬉しいですよね。Airの名のとおり、薄さ・軽さはMacBook Proとのいちばんの差別化ポイントでもあります。
メディアエンジン搭載!より快適な動画編集
メディアエンジンとは、M1 Pro / Maxに搭載された、ProRes(RAW含む)、HEVC、H.264などの動画ファイルのエンコード・デコードを行う専用の処理回路。つまりは、動画の読み込みや書き出しのパフォーマンス向上が期待できます。MacBook Airで動画編集もやりたい方には追い風となる仕様ですね。
ドルビーアトモス・空間オーディオ対応
本体に4スピーカーを搭載。これによりドルビーアトモスや空間オーディオといったよりリッチなサウンドをMac本体だけで体験できるようになりました。さて、この空間オーディオなるもの、まだ皆さんあまり馴染みがないかもしれませんが、しばらくAppleが牽引していく分野のひとつだろうなと思っています。空間オーディオの進化で、間違いなく音楽の常識が変わります。
MagSafe充電コネクタの復活
MacBook Airの弱点のひとつだった、コネクタのポート数。これまでは充電をするときに2つしかないUSB-Cポートのひとつを使うしかなかったのですが、MagSafeによってUSB-Cポートをふさぐことなく充電が行えるようになりました。
また、USBポートに比べて、引っかかったらすぐ外れるMagSafeは安全性も高いというメリットもあります。もちろん、USB-Cでの充電もできますので、状況に応じて使い分けることもできます。
驚異的に薄くなった!!4.8mmも薄くなったのがとてつもない!
MagSafe充電も復活!
で、M2 MacBook Air 実際買いなの?
さて、ようやく本題。M2 MacBook Air。実際どうなの?買う価値はあるの?という疑問に、Mac歴20年の僕がお答えしていきたいと思います。
ちなみに僕は、ファーストインプレッションではポチる気まんまんでしたが、諸々の考察の結果、今のところ買わないことになりました。その考察の一部始終をお伝えしたいと思います。
M2 MacBook Air こんな人は買ってはいけない!
M1 MacBook Airを持っている人は買うな。あなたはすでにコスパ的勝ち組です。
まずはM1 MacBook Airを(値上がり前に買って)持っている人。M2 MacBook Air、買うべきではありません!そこのあなた!その今まさにポチらんとする手をおろしなさいね。というわけで、理由を説明します。
まず、M1 MacBook Airの最大のメリットは「驚異的なコスパ」です。今はちょっと値上がりしてしまいましたが…。そもそも、M1 MacBook Airを値上がり以前の価格で購入した方はコスパ的勝ち組なのです。なぜなら115,000円程度で超スペックのMacを購入できたのですから。
ここで買い替えようものなら、せっかくの勝ち組の称号を放棄するようなモノです。仮に80,000円でM1を下取りに出したとしましょう。すると差額は吊るしで80,000円強。この価格を追加で出してまでスペック的なリターンがあるかというと、正直怪しい。というのが僕の感覚です。
Apple製品は組み合わせるほど威力を発揮する
たとえばM2はM1チップに比べて最大18%の速度アップとのことですが、このスペック値の差を実際の作業中に実感し「効率上がったなー!」と体感できるシーンが多いとは思えません。
もちろん、ここまで説明してきたとおり、ほかにもM2 MacBook Airにも大きな進化ポイントはいくつもあります。が、正直M1 MBAから80,000円追加して買い替えることで得られるメリットはそこまで大きくはないと思います。
Apple製品は組み合わせてナンボ。その資金をApple Watchなり AirPods Pro / Maxなり別のApple製品に費やすのが賢いApple信者のお布施方法だと思います。
ガチで動画編集がしたい人は買うな。
もうひとつ。「ガチで動画編集したい人」。これもおすすめしません。ガチとはなんぞ?って話ですが、たとえば4K以上の映像素材をガンガン扱うような本格的な編集をするには、やっぱりM1 Pro搭載のMacBook Proを強くおすすめします。実際僕はM1 Proの MBP (16GB RAM) とPremiere Proで編集していますが、それでももたついたりフリーズしたりすることがあるくらいです。
動画編集はいかに快適に作業できるかに命運がかかっていると言っても過言ではありません。そんな理由で、本格的に動画編集をしたい方には、僕はM2 MacBook Airはおすすめしません。
動画編集するならやはりM1 Pro MBPがいい
そもそも動画編集するならメモリ16GB以上は事実上必須で、ストレージも1TBはほしい。たとえば吊るしの256GBだとあっという間に埋まります。結局外付けSSD買ったり手間が余計にかかったりするだけです。この辺をケチっても正直いいことは何ひとつないと断言しましょう。
というわけで、メモリ16GB, 1TBストレージを吊るしM2 MacBook Airベースで組むと税込248,800円となります。ともすると、67W充電アダプタも必要かもしれません。これなら、もう一声頑張ってM1 Pro 14インチ MacBook Pro 16GBメモリ, 1TBストレージ = 302,800円を検討するのがおすすめです。その理由を説明します。
M2 MBAとM1 Pro MBPの差額は1日33円?
まず、M1 Pro MBPはファン搭載なので、動画編集など長時間のパワフルな作業をする際にはやはり高いパフォーマンスを維持しやすくなります。
さらにはM1 Proの方がThunderbolt 4ポートが3つあります。またSDカードとHDMIのスロットも搭載されています。動画編集やってるとなにげにSDカード便利なことも多いです。
5年間使うとすると、年間12,000円、1日33円くらいの差額でしかありません。その差額のために毎日の動画編集の快適さを犠牲にする必要が果たしてあるでしょうか。
M1 MacBook Airを持っているなら買うな。超コスパの恩恵をかなぐり捨てることになるぞ。
重めの動画編集をガッツリやりたいなら買うな。M1 Pro MacBook Proを検討しよう。
M2 MacBook Airを買うべき人はこんな人!
逆に、以下の人は即ポチしていきましょう。
- ミッドナイトかっこええんじゃぁ〜!コスパ?知らん。
- スタバでドヤりたい!スペック知らん。
- 初めてのMacを買いたい!
- 16インチのMacBook Pro持ってるけど持ち運びが辛い!
- M1 Pro MacBook Proは買えないけど、充電しながらUSB-Cポート2つ使いたい!
ミッドナイト!ベゼルレス!極薄!カッコいい! → ポチり指数10。即ポチりましょう。
新しいガジェット大好き!オレは物欲の化身!そんな方は即ポチで。デザインが一新され新色も登場したM2 MacBook Air。ガジェット欲的な意味で後悔することはまずないでしょう。
スタバでドヤりたい!→ ポチり指数10。即ポチりましょう。
続いては自己顕示欲に満ちあふれたあなた。買いましょう。後悔などあるはずもありません。歴代Mac初のミッドナイトカラーのM2 MacBook Airなら、間違いなく世間の視線をことができるのですから。
初めてのMacを買いたい!→ポチり指数7。積極的にポチっていきましょう。
初めてのMac。初めての一台にはM2 MacBook Airおすすめしたいです。なぜなら、初めて触れるMacがあのM1 MacBook Airを凌駕するスペックとルックスのMacとなれば、それは素晴らしいMac体験に違いありません。多少高いですが、初めての一台にふさわしいMacだと僕は思います。
16インチのMacBook Proクッソ重い… → ポチり指数9。そのポチりが持ち運び人生を激変させます。
僕は一時期16インチ MacBook Pro 2019一本でやっていた時期があります。しかし、持ち運びが辛すぎてギブアップ。というわけで持ち運び用にM1 MacBook Air買った次第です。
16インチMBPの場合、本体のデカさや重さはもちろん、充電器やモバイルバッテリーなどのアクセサリーも鈍重なものを持ち運ばなければなりません。しかし、M1 / M2 MacBook Airなら充電器もモバイルバッテリーも30W程度の軽いもので充分。そもそもバッテリーのもちもよく、モバイルバッテリーすら不要だったりします。
データは、iCloudストレージやDropboxなどのクラウドストレージを使えばすべて同期できるので何ら問題ありません。
充電しながらUSB-Cポートを2つ使いたい → ポチり指数5。
M1 MacBook Airは、充電する時も2つのUSB-Cポートのうちのひとつを使うしかありませんでした。しかし、MagSafeポートが復活したことで、充電しながらUSB-Cポートを2つ使えるようになったのです!
ただ、この辺はM1でも拡張アダプタを使えばイケたりもするんですが、僕みたいな面倒くさがりは拡張アダプタ付けるのも面倒なので、そういった方には嬉しい仕様です。
見た目に惚れた!!ポチりましょう。
取り急ぎスタバでドヤりたい!ポチりましょう。
新しいガジェット大好き!!物欲の化身!ポチりましょう。
初めてのMacを検討中!ポチりましょう。
16インチMBPの重さに辟易している!ポチりましょう。
常にUSB-Cポートを2つ使いたい!ポチってもいいでしょう。
MacBook Air大好きな人がMacBook Airについて思うこと
僕はMacBook Airが大好きです。一時期はMacBook Air愛が強すぎて2台使っていた時期もありました。そして今もM1 MacBook Airを使っています。正直たいていのことはMacBook Airがあれば充分だと思っています。M1 MacBook Airを手にしてからは、iPadを持ち運ぶこともなくなりました。動画編集以外のほとんどの作業はM1 MacBook Airです。
さて話は変わりますが、僕は「もっともっとMacの素晴らしさを伝えていきたい」そんな思いもあってこのブログを10年以上も続けています。そんな大好きなMacBook Airについて僕が思っていることをお話します。
MacBook Air高くしないで!!
MacBook Airの素晴らしさは、やっぱり手頃な価格で、満足度の高いMac(macOS)を手にできるところにあると思います。もちろん円安の影響もありますが、吊るしで16万超えはさすがのMBA大好き新しいガジェット大好き!な僕も即決には至りませんでした。
今回のM2で言えば、たとえばこんな仕様↓で14万円台くらい、つまり2万円安かったならまだ僕的には検討の余地があったかもしれません。
- MagSafeなし
- 空間オーディオ対応なし(従来の2スピーカーのまま)
- メディアエンジンなし
僕は元音楽屋さんで音楽も音響技術も大好きだけど、Macの本体スピーカーになにかを求めているわけではありません。とりわけMacBook Airには。それに、空間オーディオとかって正直興味ある人は専用のサウンドシステム使っちゃうと思います。
メディアエンジンは微妙なところですが、それが本当に必要な層はM1 Proを買った方がいいのでは?というのが僕の考えです。そもそもメディアエンジン非搭載のM1 MacでもYouTubeの編集くらいなら充分できます。
どちらかというと、従来のMacBook Airがそうだったように「高性能でカッコいいMacがいつでも手軽に手に入る」そんな気軽さがMacに戻ってくると僕は嬉しいです。
無印MacBook復活説、ある?
AirがこれだけProの仕様に近づいてくるというのは、なんだかiPadのようですね。iPadなんてもうAirとProの違いがだいぶ曖昧ですから。まぁそれが商売上正しいのかも知れませんが、こちらとしてはやみくもに選択肢が増えただけというか、腑に落ちない点も多いです。
2015年に、12インチのMacBookなるものが突然現れ、そして消えていきました。初のスペースグレイMacだった記憶があります。もちろん買いましたとも。まさしく今回のM2 MacBook Airと同じような高揚感がありました。
Macに低スペック版は要らない
今回のMacBook Airのスペック向上の流れで、安価な無印MacBookがまた登場するのでしょうか。正直僕はそうはなってほしくありません。なぜなら、上記の無印MacBookはスペックが低すぎて悲惨だったから。Xcode満足に動かないとかもうMacの意味ないと思うんです。はい。
M1 MacBook Airのように、基本スペックは高く、抑えられるところは抑えて、MacBook Airは高スペかつ廉価なMacBookという立場を貫いてほしい。それがMacBook Air大好きおじさんの願いであります。
おわりに
正直、ミッドナイトのM1 MacBook Airをみた瞬間「ほすぃ…(汁)」となりました。お金があるなら欲しいです。でも冷静に、いろいろ考えて踏みとどまりました。
逆に、あらためて M1 MacBook Air買っておいてよかったと、さらにM1 MacBook Air愛が深まったし、バリバリ動画編集を行うなかで値上がり前にM1 Pro買っておいてよかったとも思っています。
最後になりますが、ミッドナイトは濃いネイビーって感じでクールですが、もしこれがブラックカラーだったら買っちゃってたかも…。といったところでさようなら。
Apple MacBook Air M1 2020(13インチAir,8GB RAM,256GB SSD,8コアCPU/8コアGPU) シルバー (整備済み品)