僕がNotionからUpNoteに乗り換えた理由【ノートアプリ】

Takashi Fujisakiのアバター
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ノート、タスク管理、プロジェクト管理の統合ツールとして人気の高いNotion。僕もここ数年、情報管理ツールとしてNotionをメインとして使い続けてきました。しかし、同時にNotionに幾つかの不満を抱えていたのも実際のところ。

そんなこんなで、この年末年始、ついにNotionの代替ツールを探し始めたんですが、ありました。まさに僕にとって理想的なノートアプリが!というわけで、今乗り換えをした至高のノートアプリ「UpNote」について詳しく解説したいと思います。もちろんNotionとの比較も徹底的にやりますよ!

UpNote こんな人におすすめしたい

  • 直感的に使えるノートアプリを探している
  • キーボードショートカットでゴリゴリ爆速編集したい
  • Notionは複雑すぎると感じる
  • かといってApple純正メモアプリでは足りない
  • 仕事の重要な情報を安全に管理したい

僕の過去のノートアプリ・メモアプリ変遷

僕が最初に使い始めたノートアプリ・メモアプリは、かの「Evernote」。2011年のことでした。

当時、クラウドという言葉の代名詞的存在として台頭し、数々の関連アプリを生んだモンスターアプリ。しかし、ある時期から度重なる改悪(と称される)アップデートにより衰退の一途を辿ることになります。

ここからは代替メモアプリ探し放浪記が始まります。しばらくしてSimplenoteとApple純正メモアプリの併用に落ち着き、Apple純正メモの進化に伴い、純正メモに一本化。

そしてその後登場したNotionへと移行し、長いこと情報管理はNotionへ一元化する運用をしていました。

ただNotionは、その多機能性、万能性の裏でさまざまな不満もあり、もやもやしながら使っていたのも事実。

というわけで、今回のUpNoteへの移行に踏み切った、というわけであります。

Notionのどこに不満を感じていたのか

Notionは、押しも押されもせぬ万能ツールで、その有用性は誰もが認めるところだとは思います。僕もNotionリリース直後から長年使ってきました。しかし、その多機能性、万能性の裏でさまざまな不満もあり、もやもやしながら使っていたのも事実。

では実際に、どんな不満があったのか。細かく見ていこうと思います。

多機能すぎて管理のしかたに迷う

Image via Pintarest

フレキシブルでさまざまな活用方法があるNotion。しかし、その多機能性がゆえに、「この情報はどういう方法で管理するのがベストだろうか?」という問いに常にぶつかり続けることになってしまいました。

たとえば議事録管理。データベース機能を使って管理するのか、子ページを並べて管理するのか。データベースで管理するにしても、プロジェクトごとに複数のデータベースを作って管理するか。それともひとつの議事録データベースでタグ分類させるか。

そういった、運用のしかたに脳みそのリソースをもっていかれるストレスを日々感じてはいました。

シンプルに操作性が合わない

Image via Notion

最後まで僕が馴染めなかったのがこのデータベースの操作性。

結局タグ機能を使うにはデータベースで管理するしかなく、議事録をひとつのデータベースでまとめてみたはいいけど、各データのDescription(タイトル的なもの)をクリックしてもページは開かず、Description編集モードになってしまう。これが最強にしっくりこない。マウスオーバーして右側にちっちゃく出てくるボタンをクリックすることで初めてそのページを開ける。

サイドピークで開く感じもしっくり来ず、ポップアップなどに変更するには逐一設定が必要。Notionの肝はある意味このデータベースだと思うわけですが、とにかくこのデータベースのUIには最後まで慣れることはありませんでした。

フォルダの概念がない

Notionがフレキシブルである理由のひとつだとは思いますが、フォルダとページの区別がなく、すべてが親にも子にもなれる。WordPressでいうところの固定ページのような仕組み。

つまり、Notion的には「フォルダの中にページが入っている」というような階層的で発想で作られたものではなく、もっとずっと柔軟ななにかというコンセプトであるわけです。

そのため、フォルダとかページとかデータベースとかの境目のない、非常に柔軟性の高い仕様であると言えます。

しかし、僕の用途ではあくまでページベースで、それを分類するためにフォルダ分けしたいという、まぁ言ってしまえば旧式の発想なのかもしれませんが、僕がノートアプリに求めるものはいわゆる物理ノートのようなUIだったということです。

無料版 or サブスクで買い切りはない

Notionは基本的に無料で使うことができます。1人で使う場合、ほとんどのユーザーにとっては無料版で充分かと思います。

気をつけるべきは、アップロードできるファイル容量がひとつにつき最大5MBであることと、ページの履歴が最大7日間までであること。

これらの制限を拡張するにはサブスク加入が必要です。

UpNoteへ乗り換えを決めた決定的なポイント

シンプルなノート機能に厳選されている

Image via UpNote

ここまで話してきてナンですが、NotionとUpNoteでは根本的に設計思想が違うので、比較対象として的確なのかというのは正直ちょっとあります。でも、きっと僕と同じようなモヤモヤを抱えながらNotionを使っている人も少なからずいるのでは?という思いでこの記事を書いている次第です。

さて、Notionの設計思想は前述のとおりですが、UpNoteはより物理的なノートのような直感的な思想に基づいています。一つひとつのページを「ノート」、それを分類するフォルダの役割をもつ「ノートブック」、そして「タグ」。このシンプルな分類方法が、僕にとっては今のところしっくりきます。

また、UpNoteのいいところは、ひとつのノートを複数のノートブックに関連づけることができること。

MacやWindowsなどの一般的なフォルダでは一つのフォルダにしか入れることができませんが、あるページ、たとえば「Macの使い方メモ」というノートを「Mac」というノートブック、「使い方」というノートブックの両方に関連づけて、どちらからも参照できるといったあんばい。ときにはどっちのフォルダに分類しようか迷うことなんかもありますが、これは地味にありがたい機能ですね。

「タグでいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、たしかにそのとおりで、実際はタグがあればノートブックをまたいだフィルターが可能ではありますが。

多彩なキーボードショートカットによる快適な操作感

Image via UpNote

UpNote最大の魅力とも言えそうなのが、キーボードショートカットの充実。

なんと言っても、見出しやリスト、引用、などの書式変更がキーボードショートカットでできちゃうこと。これはNotionにはない機能で、僕にとってはとても便利で重宝しています。

ちなみに、NotionやWordPressでお馴染みの、/(スラッシュ)の入力から書式選択ができる「スラッシュメニュー」や、マークダウン記法からの自動変換も搭載しているため、さまざまな方法で書式を選択しながら、効率的に文章を書くことができます。

スラッシュメニューやマークダウン記法の場合は、逐一英数入力に変換する必要がありますが、ショートカットの場合は日本語入力のままでもイケるのがめちゃめちゃ大きい!これだけのためにUpNoteを使いたいくらい。

スラッシュメニュー、マークダウン、そしてキーボードショートカットの3つとも書式編集に対応しているのは、僕が見つけた中ではUpNoteだけでした。この操作性の高さが、UpNote最大の魅力と言ってもいいかもしれません。

文字数の常時表示

文章を書くときに文字数を常に確認したいのですが、UpNoteはそんな夢も叶えてくれます。

しかもキーボードショートカットでサクッと表示・非表示できる快適さ。

誤編集防止機能

大事なメモや文章が、なにかの拍子に誤って編集されて消えてしまってた…そんな悲劇を防ぐための機能がUpNoteには搭載されています。

この機能は、ノートを読み取り専用モードで開き、編集する際には編集モードに切り替えて作業するというもので、気付かないうちに誤操作で選択削除とか上書きとかをしてしまう危険性から大事な情報を守ることがます。

これ、実際僕自身何度もやらかした経験があります。Appleの標準メモでもNotionでも何度かやらかしました。あの瞬間を思い出すと今でも冷や汗が出ます。

そういった誤操作による情報の消失を防いでくれる神機能、これも乗り換えの大きな理由です。

充実したバックアップ・バージョン履歴機能

自動バックアップ機能によって、UpNote上のあらゆる情報を常に守ってくれます。また、ページの編集履歴にももちろん対応。履歴頻度や最大個数は設定でき、またどちらも無制限に残すこともできるため、重要な情報を残していくにはとても心強い機能と言えます。

データを消失して何度も窮地に追い込まれかけた僕にとっては、これ以上ない決定的な乗り換え理由です。

買い切りのプレミアム機能

これが乗り換え理由のダメ押し。わずか5,000円ですべての機能を永久的に解放するプレミアム機能を手にすることができます。サブスクもあるんですが、1年半ほどで元が取れるので、僕は迷わず買い切りにしちゃいました。

対してNotionは実質ほぼ無料で使用できますが、ページの履歴が7日間までとなっているので注意が必要です。

ObsidianやAppleのメモアプリではダメなのか

UpNote以外の代替案として「Obsidian」や「Appleの純正メモアプリ」などがありますが、これらではダメだったのか。という問いにお答えします。

まずAppleのメモアプリ。

これは、以下の2点が致命的なので、仕事で使うノートアプリとしては難しいところです。

  • 書式の切り替えや編集が不便
  • バージョン履歴非対応

あとは、仕事とプライベートの情報がごっちゃになりそうなのもあり、Appleのメモは主にプライベートなものに使っています。

「いやいや、すべてを一元化するから意味があるんだろう」と思う方もいるかもしれません。むしろ僕もずっとそっち側の考えでしたし、だからこそ、これまでEvernoteやNotionにこだわっていた部分もあります。

でも、今ではやっぱ雑多に一元化することにけっこう抵抗あります。UpNote開くときは仕事しているとき。そう切り分けをする意味でも、一元化しない意味はあるかと思うようになりました。

お次はObsidian。

こちらも有力候補、というか実際しばらく使ってみましたが、実に良いですね。操作性もよく、ほぼほぼObsidianに乗り換える気満々だったんですが、唯一にして最大の問題がありました。それは、デバイス間での同期。

Mac / iOS間でも、無料版で同期を行うにはちょっとした工夫が必要だったり、WindowsやAndroidとの同期はさらに面倒。プラグインを入れてゴニョゴニョしたり有料版を使ったりすればシームレスな同期ができますが、同期だけのために面倒なことやサブスク課金はさすがに勘弁。ノートアプリたるもの、何も考えずともあらゆるデバイスでシームレスに同期できてナンボであります。というわけで、機能的には、拡張性も高くUpNoteよりはプログラマーやクリエイターに好まれそうなギークな感じもありかなり気に入ってはいたんですが、同期で手間かけたくないので、敢えなく却下。

というわけで、結局UpNoteへ移行という結論に至った、という経緯があります。

NotionにあってUpNoteにない、あったら嬉しい機能

さて、とはいえNotionにあってUpNoteにはない、あったら嬉しい機能もいくつもあります。

まずはウェブ版があること。ゲスト環境でもサクッと参照できるウェブ版はめちゃ強い。UpNotesもウェブ版対応してほしい。

お次は、テーブルの行や列のドラッグ&ドロップによる入れ替え。これはNotionのフレキシブルな編集機能に圧倒的軍配。副ボタンクリックから行をカットして貼り付けして入れ替え、みたいなのはマジで不毛な作業。

もうひとつはAI機能。NotionのAI機能はすこぶる優秀。というわけで、こういった機能を使いたい場合は部分的にNotionを使う、という方法もアリかなとは思います。

最後に、ワンタッチでページをウェブに公開する機能。これが神すぎる。他のノートアプリには類を見ない圧倒的ネ申機能。これはこれで必要になる時もあるかと思います。

UpNoteに乗り換えてみて実際どう?

Image via UpNote

というわけで、Notionにも捨てがたい部分が満載なわけですが、それでも僕はUpNoteに乗り換えをした、というわけです。しばらく使ってみて思うことは、これはもう快適以外の何者でもない。僕が求めていたノートアプリ、まさにそのもの。

直感的なUI、キーボードショートカットによる快適な操作、マークダウンとの相互変換の容易さ、PDF出力、誤編集防止、自動バックアップ、バージョン履歴…これはまさに「ぼくがかんがえたさいきょうのノートアプリ」であります。

細かいことを言えばいくつかあるんですが、もはやそんなものは気にならないほどに快適で、文章を書くのがより楽しくなりました。

開発者は2人のベトナム人と公式サイトに記載がありましたが、おふたりには心から感謝したいと同時に、末長く運営していただきたい。そんな思いも込めて、プレミアムを購入しました。

しばらくはこのUpNoteとともに生きていくことになるだろう。そう思わせるような実力と魅力のあるノートアプリだと思います。

一元化にこだわって疲弊してはいけない

前述のとおり、NotionにしかできないことがあればNotionでやればいい。でも普段僕がやっている情報管理はNotionではやらない。一元化にこだわって疲弊しない。そんなシンプルな考え方です。

おわりに

シンプルなメモから複雑なプロジェクト管理まであらゆるニーズに対応できる、カスタマイズ性の高いNotion。それに対して、あくまで「ノート」であることを強く意識した、特化型のUpNote。

今回僕がNotionからUpNoteに乗り換えた理由は、仕事の議事録や学習したことのメモなど、大事な情報をノートにまとめておきたい、という僕の用途にシンプルにハマったからにほかなりません。

何度も言いましたが、NotionとUpNoteでは根本的な設計の思想が違うため、どっちが優れているといったような単純な比較ができるものではありませんし、Notion自体は大変優れたツールであることは言うまでもありません。ただ、僕の用途には器が大きすぎた、ということ。大は小を兼ねないこともある、ということでしょうか。

というわけで、おそらく僕のようにNotion疲れを起こしながらも惰性で使っている、という方もいるのではないかと思い、選択肢のひとつとしてUpNoteをご紹介しました。

Notion云々はさておき、ノートアプリを探している方の最適解になるかもしれない魅力を秘めたUpNote、ぜひ試してみてほしいです。

この記事をご覧になったあなたのお役に少しでも立てれば幸いです。それではまた!