Homepodは2台で完全体となる。ステレオ化で見えたHomepodの本質。

Takashi Fujisakiのアバター
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Homepod1台ではステレオ感に乏しく、ある程度まともに音楽を楽しもうと思うと残念な感じではありました。そこで迷った末に2台目を投入しステレオ化。結論、やってよかった。

Homepod1台での音楽体験と僕が期待していたこと

7つのツイーター(中高音用の小さいスピーカー)を360°に配置した、スピーカーの再発明ともいえるHomepod。このしくみで、1台でどのようにステレオ感を醸し出すのか、めっちゃ期待してました。もしくはステレオを再定義するような革命的な何かがあるかもしれない…!と。そんな感じのやーつを期待してたわけです。

余談。ステレオとはなんぞ?

ステレオと聞いてピンとこない方のためにちょっと解説。現代の一般的な音楽はL, Rの2つのチャンネルで作られてます。皆さんイヤホンを左右の耳に着けて聴きますよね?あれ、ただ両耳で聴くっていう理由だけではなくて、左と右は独立した別々の音が流れてます。

いや同じじゃね?って思うかもしれないけど、よく聴くのです!もちろん、曲によっていろいろだけど、たとえばこんなの↓をイヤホンで聴くとよく分かりますよ。

なぜこのように音楽のチャンネルが2つに分かれているのかというと、より空間的な広がりを表現するためであります。

細けーこたー置いといて、このように左右2つのチャンネルが独立してる音楽(およびシステム全体)をステレオと言うと覚えときましょう。逆に、1チャンネルものもはモノラルと言います。

より詳しく知りたい方はWikipediaをどうぞ。

1台のHomepodでステレオ感は出るのか

Homepod買おうか迷ってる人のために。結論からいうと、1台では従来の意味でのステレオ感はほぼないです。ほぼっていうか僕にはモノラルに聞こえます。音質自体は、低音に偏り気味だけど悪くない。ただモノラルっぽい。ってかモノラル。それだけが問題で、それこそが問題だ。

たとえばBose SoundLink Revolveはそもそも1発スピーカーなので、360°サラウンドといっても、どこまで行ってもモノラルなのです。

対してHomepodはスピーカーが7個(+ ウーファー1個)といっぱい。ならば、音の立体感を醸し出すための革命的な何かを期待してしまうのは自然なことではないだろうか。なぜか…部屋全体がステレオサウンドに包まれているっ…!的な。

まあ実際はそんなことはなく、むしろふつーにSoundLink Revolveと同じような360°モノラルサラウンド的なものだったので、「まぁ…そうだよね」と。なったよ。

ステレオ化された「完全体Homepod」の実力はいかに

と、単体Homepodの想像以上のモノラル感にがっかりしたけど、まぁふつーに考えればそうなんですよ。今になってよく分かるけど、そもそもツイーターが7つついてるのは(ある意味邪道な、ギミックとしての)サラウンド効果的なためのものじゃないんですよね。ということが、今回のHomepodステレオ化でとてもよく分かりました。詳しくは後述。

そうなると選択肢は2つ。Homepodを手放すか、もうひとつ買ってステレオ化するか。まぁ試しもしないで手放すとか僕が廃(すた)るので、買いましたよ。もう1個。

我が家のステレオHomepod

ほんとはもう少し離して設置したいんだけど、部屋の都合でこんな感じで。スピーカー追加設定も簡単で、iPhoneをHomepodに近づけて、何度か画面ポチるだけ。ただ設定後、おそらくバグと思われる現象に悩まされたので、詳しくは別記事で

iPhoneをHomepodに近づけて画面を数回ポチるだけでステレオ化(グループ化)が完了する簡単さ

というわけで無事接続完了!その実力は…。

これだよ、これ!

Homepodが、覚醒した!なんというか、ふつーに正統派なスピーカーシステムと化した。ちゃんと聴くにはやはり、2つ使ってステレオ化しないとダメなんだ。

最初の1曲かそこらで部屋の音響性質を解析し、その後最適化されたサウンドを醸し出すようになるのだけど、まさにそのとおりで、最初はのっぺりしてたのに、気がつけば、心地よくなってる。

特殊なサラウンド効果みたいなギミックがあるわけでもなく、シンプルにオーソドックスに正統派なサウンド。特性としてはだいぶ低音に寄ってるが、だんだんバランスよく心地よく聞こえてくるから不思議。AIにより出力が安定してきたのか、耳がアホになってきたのかは不明。

そもそもの音質の良さについては単体のときに実感していたけど、やはりこれだよね!って感じです。ステレオ化して本当に良かった。

音質より大事なものがある。今や。

電源ケーブルのみ。入出力端子およびボタンはひとつもない。

単純に「絶対的な音質」にだけスポットを当てるならば、Homepodはまともなオーディオシステムにはすべてにおいて及ばないと思います。まぁそもそも論として、高級システムはCD音源 + 有線なのに対し、Homepodは ワイヤレス + 圧縮音源なので土俵から違うんだけど。

でも、時代は変わり今僕がオーディオシステムに求めているものは、ワイヤレスで、iPhoneやiPadからワンポチで出力できて、ヘイしりって言ったら5000万曲の中からキュレートして音楽かけてくれる、音質80点のシステムなんですよ。

音質は80点でいい。その代わり、すべてにおいて快適であることはもはや譲ることができないのです。なんだろう。僕が音楽への熱い想いを失ってしまったということなのだろうか。それとも。

ってなわけで、そんな僕のためのスピーカーがHomepod。Homepodの素晴らしさは、「ざっくりポン置きするだけで部屋中それなりにいい音で聴ける」ことなんですよ。そのための変態仕様、そのためのAI搭載なのです。

ステレオ化で見えた、Homepodの本質。

Homepodをステレオ化したことで、Homepodの本質が見えた、というかやっと実感できました。それは、Homepodを部屋にざっくりポン置きするだけで、部屋中どこでも座っても立っても寝ても覚めても快適なステレオサウンドが楽しめる、というのがHomepodの本質でありもっとも革新的な部分であるということ。一言で言うならこういうことかと。

僕たちは、音響知識不要で簡単に部屋中をいい音で埋め尽くすことができるようになった

まさに、テクノロジーが生活を変えた瞬間であります。本来、いい音でステレオサウンドを楽しもうとすると、それなりの音響設備と知識が必要なんだけど、それらをすべてテクノロジーで要らない子にした。またはしてしまおう、というのがHomepodの本質だ。

従来のステレオシステムの場合、いい音のベストポジションは1箇所しかないんだけど、それを部屋全体に広げてしまったのがHomepodなんです。「ステレオシステムの再発明」とはこう言う文脈の話だったんですね。すべてはそのために、ツイーター7個とか、しかもそのツイーターが内側向いてるとか、マイク6個とかの変態的な仕組みになってるってわけです。

まとめ。Homepodは「7万円で買える部屋中いい音重低音Apple Music対応ミニマルワイヤレススピーカーSiriつき」である

HomepodをSiri目的で買う人はあんまいないと思う(だってHomepodはiPhone必須だしiPhoneにSiriあるし)し、Apple Musicなど音楽聴くために買う人が多いと思われますが、そうなってくるとやっぱ2台買ってステレオ化は必須だと僕は思います。2019年現在、Homepod単体では充分に楽曲のポテンシャルを引き出せているとはとても言えないし、逆に音にそんなにこだわりないなら他のスピーカー買った方がいいです。

Wi-Fi対応ワイヤレスで、iPhone / iPadからAirPlayで再生できて、かつApple Musicをスタンドアロンで再生できて、心地よい重低音で、部屋全体がスイートスポットになる、ヘイSiriつきのミニマルデザインのスピーカーが(2つで)7万円。これが高いか安いかは皆さん次第であります。

ステレオ化でHomepodは生まれ変わる。というか完全体として本来の実力を発揮してくれるんです。というわけで、2台のHomepodに17号と18号と名前をつけたいと思います。